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1.ウェスタンサバーブってどんな所? シドニーはオーストラリア大陸東岸にあり、東側が太平洋に面しています。18世紀末、ヨーロッパ人がこの大陸にやってきて以来、海に近くて展望の良い東側がお金持ちの高級住宅地として発展し、海から遠い西部地域は庶民、労働者の住宅地として開けてきました。 都市シドニーの拡大に伴い、物価が安く、誰でも住める西部地域に、全世界からの移民がやってきました。まずは英国・アイルランド系、次いでイタリア・ギリシャなど南欧系、そしてここ30年、増加著しいのがベトナム、中国、レバノン、インドといった、非欧州系の人たちです。今日のシドニー西部は、いろんな顔かたち、肌の色をした人々が暮らす、コスモポリタンな地域に変貌しました。 西部地域のなかで、シドニー都心に近い地域はインナーウェスト(Inner West)と呼ばれています。インナーウェストは、交通・生活の便が良く、グルメな店も多く、南欧ふうのかっこいい街並みが自慢の、魅力的な地域です。最近ここは人気急上昇中、不動産価格の上昇も著しいです。 インナーウェストの外側が、ウェスタンサバーブ(Western Suburbs)と呼ばれています。両者の境は、都心から直線距離で約10km、Burwood近辺とされています。ウェスタンサバーブは、インナーウェストに比べると不動産も安く、雰囲気も洗練されてもおらず、全体としてまだまだ未完成、発展途上の地域です。 この荒削りな地域に、中華系、東南アジア系、アラブ系、トルコ系など、奥深い食文化を持つ人々が多く住みつき、お国の人だけを相手にして、それ以外の人は全く眼中にないような家族経営の小さな食堂をどんどんつくりました。こういう店では、値段は信じ難いほど安く、味も店の雰囲気も本国そのまんま、店によっては英語もロクに通じない・・・とってもディープな世界です。このディープさ、そして何より安くて美味しいという抜群のコストパフォーマンスが、ウェスタンサバーブグルメの最大の魅力といって良いでしょう。 さて、ウェスタンサバーブをもう少し詳しく見てみましょう。 パラマタ(Parramatta)とリバプール(Liverpool)は、古くから開けた交通の要衝です。ともに大きな繁華街を持ち、ウェスタンサバーブを代表する二つの中核都市、といって良いでしょう。 パラマタは、シドニー副都心(Sydney's second CBD)と呼ばれ、ビジネスオフィスと高級ホテルが建ち並んでいます。ウェスタンサバーブで唯一、「都会」の雰囲気を味わえる土地、といってもいいでしょう。その他、豪州最大級のショッピングセンター(ウェストフィールド・パラマタ)を持つ、シドニー屈指の商業都市でもあります。 またパラマタは、住民の約6割が外国生まれ、特に中国、インド、レバノンの出身者が多い関係で、飲茶が3軒、インド・スリランカ料理が5軒以上(美味しい!)、シシカバブが食べられる店が10以上軒あり、それに加えてステーキハウス、韓国焼肉、マレーシア・シンガポール料理にも見るものがあります。日本料理も3軒あります。 一方リバプールは、パラマタと比べると規模は小さく、やや田舎っぽいですが、高層の建物がほとんどなく、広々として、歩いていて気持ち良い都市です。欧州系人口が多い街ですが、店頭に並んでいる雑誌を見ると、見たこともない東欧の言葉で書かれていたりします。あとインド出身者も多く、インド料理が5軒ほどあります。 パラマタの南、リバプールの北、カンタベリーの西・・・二等辺三角形をなすこのエリアは、「黄金のエスニック三角地帯」と呼ばれています。このエリアでは、非欧州系人口が半分以上を占め、街にはベトナム語とアラビア語の看板が溢れかえり、買い物に行くと英語さえ通じないこともあります。「ここはどこ?私は誰?」感覚になれる土地、「絶対オーストラリアに見えない」、とってもディープな風景が広がっています。 三角地帯のなかで、代表的なエスニックタウンといえば、「シドニーの二大ベトナムタウン」と呼ばれるカブラマタ(Cabramatta)とバンクスタウン(Bankstown)、アラブ系人口の多いラケンバ(Lakemba)、トルコ人の多いオーバン(Auburn)、東南アジア系と中東系の混住地帯フェアフィールド(Fairfield)とキャンプシー(Campsie)・・・このあたりでしょう。 それ以外にも、三角地帯の真っ只中に存在する小さなエスニックサバーブ、例えば、「インドシナビレッジ」の異名を持つカンリーベール(Canley Vale)、「看板にアラビア文字しか書いてない」サウスグランビル(South Granville)、インド・レバノンの甘味店が目白押しのハリスパーク(Harris Park)・・・この辺も見逃せません。 上に述べた、「お国の人だけを相手にして、それ以外の人は全く眼中にないような家族経営の小さな食堂」というのは、このエリアに多く存在します。とってもディープ、とってもエスニック、そして何より安くて美味しい!ウェスタンサバーブうまいもの探検隊の活動も、このエリアが中心となってくるでしょう。
ウェスタンサバーブには、「パラマタの西、リバプールの南に行けば行くほど、エスニック度が減って、オージー度がアップする」法則があります。遠い西の郊外には、広々とした土地に新興住宅地が果てしなく広がり、そこはエスニック住民の世界ではなく、若い白人オージーファミリーが多く暮らす土地です。 このエリアの代表的な都市としては、「シドニーの八王子」と呼ばれる新興住宅地ブラックタウン(Blacktown)、「豪酒」で知られる(株)サン正宗のあるペンリス(Penrith)、南西部の中心都市キャンベルタウン(Campbelltown)、英国調の街並みが魅力のウィンザー(Windsor)などがあります。 このエリアのグルメスポット・・・私はまだ開拓してないので知りませんが、ウェスタン料理の他、フィリピン料理が楽しめます。このエリアには、英国系、アイルランド系住民の他、フィリピン人も多く住んでいるようです。このエリアでは、安くて美味しいものを食べに行くより、雰囲気のいい西洋風レストランでくつろぐ方がいいのかもしれません。
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