自他ともに認める「チャリンコ気違い」の私が、シドニー近郊で一番素晴らしいと絶賛するサイクリングコースが、シドニーの南約80kmに位置する都市、ウロンゴン(Wollongong)の海岸沿いを走る、全長13kmのBulli - Wollongong Cyclewayです。
シドニーの街から南へどんどん進むと、郊外住宅地が途切れるあたりから広大なRoyal National Park国立公園が広がっています。南北20kmに及ぶこの「緑の魔境」を抜けると、いよいよウロンゴンの領域に入ってきます。この町は、大都会シドニーから見るとまさに別天地、山と海に囲まれたのどかな田舎町です。
ウロンゴンの素晴らしいところは、市の北端から南端まで、海岸沿い約60kmの長きにわたって、サイクリングコースが整備されていることです。特に今回紹介するBulli - Wollongong Cyclewayは、一体どの天才がコース設定したのかと驚くほど、素晴らしい風景を満喫できます。全長13kmのコースで7つのビーチを抜け、そのほか湿地帯あり、岬あり、キャラバンパークあり、高級住宅街ありと、実に変化に富んでいます。
ウロンゴンの海辺にたたずんでみると、シドニーの海では味わえない種類の気持ち良さがあります。これはおそらく、「人と海のバランスが丁度よい」からなのでしょう。確かにシドニーの海も景色は良いです。でも、やっぱり家が多すぎる。特にマンリーやボンダイなど、都心に近い海になればなるほど住宅の密集度が増し、何だか「住宅に囲まれたなかに、箱庭みたいな自然が存在する」みたいな感じになってしまうのです。なんだか、人間が海を圧倒してる感じがするのです。
そこへいくとウロンゴンの海は、海岸沿いに確かに住宅街があるけれども、ぜんぜん密集してないし、それに住宅街と住宅街の間には、湿地帯や草原などが数キロにわたって続いています。人と海がほど良く調和している状態、というのは実に気持ちの良いものです。
さらに宣伝しますと、このコースはビーチ沿いを走るため、サイクリングと海水浴が両方楽しめます。サイクリングで「いい汗かいたな」と思ったら、近くのビーチでいくらでも汗を洗い流せます。それに、サイクリングコースと並行して鉄道が走っているため、クルマがない人でも簡単にアプローチすることができます。ただし本数が少ないので、予め時刻表を確認した方がいいでしょう。
ま、宣伝はこれくらいにしておきましょう・・・このコースは、ウロンゴン市の北部、Bulli地区にあるSandon Point岬から、Bulli、Woonona、Bellambi、Corrimal、Towradgi、Fairymeadowといったビーチを抜け、マンションとホテルの建ち並ぶ市の中心街に近いFlagstaff灯台に至る、全長13kmのコースです。地勢は、北へ行けば行くほど山が海に迫り、南に行けば行くほど平坦になり、そこに市街地が広がっていますので、「山に向かって走る」北行と、「街に向かって走る」南行をどちらも体験されることをおすすめします。往復しても、たった26km・・・ゆっくり走っても2時間足らずの行程です。
今回は、北から南へ「街へ向かって走る」ことを想定します。海岸山脈が南太平洋に向かって落ち込むあたり、小高い丘になっているSandon Pointを出発して、まず見えるのがBulliのビーチです。ここは、いつも多くの市民が憩う、賑やかなビーチです。ジャングルジムやすべり台で遊ぶ子供たちや、クリケットに興ずる人々の姿が目立ちます。
Bulliの賑やかな海岸を抜けてしばらくいくと、めっきり人気が少なくなり、次に現れてくるのが長大なWoononaビーチです。全長2km近くあるでしょうか、茫洋とした、静かなビーチです。それを超えると、次に現れるのが海に突き出したBellambiの岬。その手前に海を目前にしたあずま家がいくつか並んでいます。素晴らしい休憩ポイントですので、ここで一息いれましょう。
岬をこえると、サイクリングコースは一路内陸に入っていきます。まず最初に現れるのがBellambiの湿地帯。これは、海から陸に鋭く切り込んだ入り江が、湖のようなかたちで残っている(Inlet)ものです。深山幽谷の趣き、とまではいきませんが、海岸から一歩離れたことを実感できます。さらにしばらくいくと、海岸沿いの住宅街が広がり、そのすぐそばに、Corrimal Beach Holiday Parkの広大な敷地が広がっています。
Corrimal Beach Holiday Parkは、オーストラリア色いっぱいのビーチリゾート施設です。日本語でビーチリゾートというとホテルみたいなハコモノを想像してしまうけれど、ここは家族連れがリラックスしながら長期滞在することを目的とした、文字通りの「リゾート」です。敷地内に入ると、電車の車両をうまく改造してつくった「宿泊施設」(感覚としてはバンガローに近い)が100棟近く並んでいます。その多くに洗濯物が干してあったり、簡易ブランコが設置されたりすること、子供たちがラジコンカーなどで遊んでいるのを見ると、長期滞在する家族連れが多い、ということが窺い知れます。オーストラリア人というのは、こういう楽しみ方にかけては天才的だと思います。
さらに進み、小川に架かった橋を渡るとTowradgiのビーチが広がっています。ここまで来るとウロンゴン市街地のすぐ近くという感じで、ビル街、ホテル街がすぐ間近に見られます。周辺の住宅地も、一戸建てではなくマンションが目立ってきます。街中のビーチらしく、多くの若者でにぎわっています。さらに進むと、Fairymeadow、North Beachという、さらに都会っぽいビーチが続いているのですが、体力が残っていれば適当なところで引き返して、再度北へ向かうのがいいでしょう。行きで見たのとはまた一味違った風景が楽しめますよ。
最後に、「サイクリングはこんなもんでいいやあ」と思ったら、迷わず近くのビーチに行って、波に汗を流してもらいましょう。マイナスイオンの効果なのか知らないけど、サイクリングした後に海に入るととても気持ちいいです。シャワーを浴びてさっぱりしたら、近くの店でフィッシュアンドチップスでも買って食べて、思い思いの帰途につくのが良いでしょう。
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