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移住相談・実例集その1

〜400件以上応募してついに内定を勝ち取ったK.Kさんの場合
(最終更新:2003/12/24) - 後日談

 


 以下の文は、2002年の末よりクインズランド州でITエンジニアとしての就職を目指し、6ヶ月間の苦闘の末、ついに内定を勝ち取ったK.Kさんからいただいた投稿を、そのまま掲載したものです。

<バックボーン>

  • 34歳
  • 日本でIT業界経験7年、Business AplicationとDBが得意分野
  • オーストラリアで働いた経験は全くなし。
  • 日本で大学卒、文系(経済学部)
  • 言語はC、VB、COBOL、ASPなど。Javaは経験なし
  • Unix、Windows環境どちらでもOK
  • Linuxは趣味
  • ネットワークの知識多少あり(VPN、CISCOルータ)開発から運用までOK
  • ERPやCRMの経験なし
  • 英語力は多分中級(大学の入学準備コースレベル、IELTSアカデミック5.5)
  • ビザは
  • 大学院配偶者ビザ

    <活動(数字)>

  • 総応募数......426
  • 総会社数.....206

    ちなみに内訳は、

  • その内IT技術職........400
  • その他の職(事務職など)....26
  • です。(半ばヤケで応募したホテルのベルボーイと オージーフットボールの審判研修生、ペストコントーラー 、芝刈り職人含む)

  • 書類審査通過のみ.......15件
  • 電話面接まで.........8件
  • 実際の面接........5件
  • 内定件数
  • (6月7日現在)........1件(但し結果待ち1件、これから面接1件)
  • 内定職種.......サポート、運用エンジニア
  • 内定までの日数........180日
  • 自分の経験で最も競争の激しかった求人.......1つのポジションに 180人
  • ちなみに、6月7日現在で、行き先をまだ決めていません。 全ての結果が出てから考えます。

    <活動詳細>

    ・一番ネックだったのが、ビザステータスでした。 現在永住権保持でない為、特に開発職では「キャリアは十分だが 顧客の秘密保持の為、このビザステータスでは採用できない」と 言われた会社が、電話面接含め3件ありました。FulltimeのPermissionではダメな企業が意外と多いようです。

    ・次は英語力ですが、やはりIELTSで言うなら、大学院の学生レベル(アカデミック6.5以上)ないとかなり厳しいです。 電話面接で落ちた会社の理由は全てこれでした。対策として、電話近くに自作想定質問集と電子辞書を置いて対応しましたが、英語力の向上が一番なのは言うまでもありませんね。時間のある人は英語学校へ通うのも方法です。 日本人夫婦等の場合、夫婦会話を英語にするのもいいです。

    ・技術力ですが、最近はITエンジニアが余っている事情もあるので圧倒的に自信を持てる分野以外では勝負は難しい。特に外国人ではそうでないとオージーに負けてしまう。

    • SAPやABAP言語(COBOLに似てますね)、CRMなど
    • Java
    • Linux
    • ColdFusion
    • HP-Unix関連のオペレーション
    • Oracle

    が旬です。 私はOracle、HP-Unix、Linux以外は実務未経験だったので大苦戦しました。

    ネットワークでは

  • CISCO ROUTER及びIP PHONE関連
  • Citrix(Metaframe)
  • 大規模ネットワーク管理
  • 経験

    でしょう。 CISCOルータ以外は、私は実務未経験でした。

     

    あった方がベターな資格として

  • オラクルマスター(日本でいうとプラチナですね)
  • MCSE(Win2kトラック)
  • Citrix関連
  • SAP関連
  • ComTia A+
  • C
  • CNA以上

    でしょう。特にMCSEは、求める企業が多いです。 難易度の割にお奨めはComTia A+とCNAです。ちなみに私はオラクルのみ保有しています。

     ご存知のように、豪州はネットワーク関連は遅れてるフシが あるので、ここで強いとかなりイケると思います。 CISCOルータ経験以外は、全く評価されないと言い切れる と思いますので、CISCOでの設定やオペレーションには慣れて おくといいでしょう。

     面接ですが、全体的にフレンドリーで日本と違います。 面接で不愉快な思いはしたことがありません。 「なにか飲む?」から始まる面接っていいですねぇ。 こちらの面接の殆どは、電話面接をクリアした人にだけ行われると 思います。人が余ってる影響でしょう。 (エージェントを通した場合も、コンサルタントとの電話会談で、いけそう だと判断された場合のみ、面接設定をしてもらえます)

    主な質問は

  • なぜ豪州に?
  • 今までの会社の退職理由
  • 自分のキャリアの売りの部分の説明
  • 今まででの最大の実績の説明
  • 今までで、仕事で大失敗したこと、及びどのように解決したか
  • マネージメント経験
  • 小さい組織、大きい組織それそれの長所、短所
  • どうやって貢献できるか?
  • プレッシャーに耐えられるか?
  • 学校
  • の成績

    などです。あまり日本と大差ないのではないかと思います。時間的には1時間から2時間半でした。最高で、1日で4人と面接しました。


    <その他気がついた点>

    ・ガンガン目立つように履歴書を送りまくりましょう。応募しているかどうかは 関係ないです。 一度断られても、タイミングだけの問題かもしれないし。1ヶ月から2ヶ月おきに履歴書を送ってもいいと思います。 ちなみに履歴書は、まなちゃんさんのものを参考にして作りました。

    ・長丁場は覚悟しといたほうが、精神衛生上よいと思います。私は主夫してました。(料理に庭いじり、ビーチ)。普段読めなかった本を読むのもいいです。気付かなかったことに気付く こともあります。

    ・自分のキャリア以外の分野では、日本語が有利になる案件でもまず 受かりません。私は「笑顔がすてきで自信があります!」と書いても見向きもされませんでした(笑)。

    ・ボランティアでの企業勤めはお奨めです。コネ作り、技術力キープ等からもいいです。 私の場合は、コネが結びつきませんでしたが、友達もできますしいいです。 また、地元のボランティア活動もいいですね。

    ・転職回数は正当な理由があれば、全く問題になりません。日本とは違います。多い人は、他から引き抜かれたのか?との質問が出ることがあります。その場合はそうと言っといた方が評価が上がるでしょう。

    ・会社規模は関係ないのですが、職種がエンジニアで魅力的でも どーしても怪しそうに見える会社は止めておきましょう。私は面接と聞いて 行ったらネットワークビジネス会社に取り込まれそうになって、やっとの思いで逃げたことがありました。

    ・年収提示の場合、年金込みかそうでないかを確認しましょう。 後は辞める時のオプションも同様。

    ・意外と学歴と成績重視です。また、推薦人や経験企業のネームバリュー も意外に重視されます。日本の大学でも有名どころは知ってる人も多い。 (交換留学で日本に言ったことがある人がかなり多い)

    ・面接時に日本語は使わないこと。日本語が分かる人は予想以上に 多いので、内緒ごとをつぶやくとまずいケースがあったりします。

    ・電話面接で、「何か質問は?」と聞かれた場合に質問できないと まずアウトです。後で連絡するとのセリフでそのままフェードアウトされます。

    ・IELTS(アカデミック)をがんばってOverall6から6.5を取って、ITマスターに アプライして、入学許可証をとることで、この国での英語力と技術力の証明と 面接時に言える場合もあります。こちらに来て活動しようと思う方は、これも 方法。大学関係者が教えてくれました。 (但し、いずれ入学辞退しなければいけないのが難点。迷惑もかかるし)

    ・面接官と気持ちよく話ができる雰囲気を作り出せればベスト。 あまり自己主張が強すぎるとダメ。胸を張って実力を120%くらいに見せて、 穏やかに自分の思うことが言えれば勝ちです

    −以下:6/11追加分−

    ・軍関係の求人及び軍産業関係の求人(○ー○ン○とか)は、永住権保持者でもアプライできません。まずシチズンのみですので注意。

    ・100%オージー資本をうたっている会社よりも、多国籍企業の方がアプライしやすいです。前者は外国人を雇用し慣れていない会社も多いのも事実です。日系にアプライしやすいのは言うまでもありません。

    ・履歴書レベルでの審査に通ると、Selection Criteriaなるものを書くことが多いです。要は履歴書レベルの内容で、企業が関心のある部分をフォーカスしてくるわけです。それを英文で回答形式で書くものです。フォーマットは先方の様式に従い記入して送り返し、それが通ると電話 面接、若しくは普通の面接になります。 メールでの送付時には、必ず表紙をつけて送付しましょう。(論文提出 風に)

    ・推薦人は英会話が出来る人の方がよりベター。エンプロイメントサービスからの紹介案件で、コンサルタントが推薦人と直接話したいとの希望(おそらくクライアントの指示)に対し、それが
    出来なかったばかりに、私は1件紹介案件を落としました。不可抗力でしたが.......

    ・面接で最低5つは質問を用意するようにと、こちらで読んだ面接本に書いてありました。また、面接上で、先方から切り出されない限り、絶対に年俸の話を出さないようにとも書いてありました。(立ち読みしましたがタイトル不明)

    ・これは私の例ではありませんが、パートタイムで面接に行ったら、なぜかフルタイムの面接に切り替わって、そのまま採用になった人がいます。会社によってはこんなこともあるので、パートタイムと侮らずに対策しましょう。

    ・面接終了後は、御礼のメールを出すか(Thank you mail)、電話すること。(Thank you call)その際に、改めて意欲を「軽く」アピールするといいでしょう。

    ・面接結果は、絶対予定通りの期日に出ません。(本当は困るけど)

    ・求職活動を支えてくれる家族に感謝。(実感!)

    (Manachanよりコメント)

     すごいですねえ。これは、まじで半端じゃないですよ。よくもまあ、ここまで頑張れたものです。とにかく、内定おめでとう。心から拍手します。

     どんなに断られてもめげず、400以上の求人に応募しまくった根性もさることながら、ペストコントーラーや芝刈り職人にまで応募したという姿勢が素晴らしい。もし万が一(?)、そういう仕事に就いたならば、それはそれで面白い人生を歩めたかもしれません(??)。ま、長い人生、一度はここまで徹底的にボコにされる体験があっても面白いですし、また若いうちにそれを体験しないと、40代、50代になってもロクな人間になれないのかもしれません。

     このレポートは、就職活動記としても十分鑑賞に堪えうるものですが、それだけでなく現在の豪州IT業界がどんな人材を求めているか、就職するためにはどんな技術や資格を身につけたらいいのか、履歴書や面接にどのような準備で臨むべきか・・・そうした面で大変実践的な内容を含んでおり、IT技術者として就職を希望する人にとっては必読だと思います。

     彼がここまで苦労した最大の理由は、英語力だと思います。いかにIT不況のご時世とはいえ、また永住ビザを保持していなかったとはいえ、また求人数がシドニー等と比べて少ない地方とはいえ、「仕事に使えるだけの英語力」さえあれば、おそらく、もっと早く仕事が見つかっていただろうと思います。

     「仕事に使えるだけの英語力」と言われても、ピンとこない方もいらっしゃることでしょう。これは、「英語ネイティブばっかりの職場で、チームの一員として、英語だけを使って業務上必要なコミュニケーションを取れるだけの総合的な英語力」のことです。総合的な英語力ですから、聴解、読解、会話、作文・・・その全ての能力が一定以上のレベルに達している必要があります。

     ここまで聞いて、英語の苦手な方はため息をつかれたかもしれません。「じゃ、俺はその総合的な英語力とやらを、どうやって身に付ければいいんだあああああ」と。これはもう、現場(面接も含む)で苦労して恥ずかしい思いをしながら、徐々に身に付けるしかない、と思います。

     私は豪州で就職して、ネイティブばっかりの職場に勤めて3年近くになりますが、まだまだ完璧にはほど遠いです。電話会議では、いつも苦労しています。私の英語力を疑う人は、周りにまだまだたくさんいます。一体いつになったら、ネイティブのような英語力を身につけることができるのか?もしかしたら、一生無理なのかもしれません。

     私たちはネイティブのように英語をしゃべることはできない・・・悔しいけど、それが事実なのです。だから、それをいちいち思い悩んだって仕方がない。英語がうまくしゃべれなかったらどうしよう、同僚の足を引っ張ったらどうしようと、不安になったって意味がない。私たちノンネイティブは、前に進むしかないのです。やるしかないのです。

    I know many people at work still doubts Manabu's English. I know his English is OK but still not very good. But it doesn't matter. He can do good jobs. He can make money in Australia. I think it is a success story.

     これは、職場の同僚の一人が私に言ってくれた言葉です。ネイティブでなくても、英語が完璧でなくても、いい仕事をすることはできる。それによって、お給料をもらうことはできる・・・私たちノンネイティブは、とりあえず、このレベルを目指せばいいのではないでしょうか。

     それに、英語ネイティブでないことは、豪州で働く上で確かにハンディではありますが、でも時にはそれが有利に働くこともあります。例えば、日本語ができること。これは、日本人のお客さんとコミュニケーションを取ったり、信頼関係を築くためのツールとして、大いに役立ちます。ネイティブのように英語がしゃべれなくてもいい、でも英語が仕事でちゃんと使えるようになった時点で、今度は日本語能力が、オージーの同僚にはない特殊能力として、一躍脚光を浴びてくるのです。組織のなかで、自分の存在価値が上がるのです。

     英語国・豪州で生きるために、また日本語という「切り札」を意味あるものとするためにも、「仕事で使える英語力」は是非身に付けたいものです。

     最後に、どんなに断られてもあきらめない根性というか図太さというか、或いはメゲた時にうまく気分転換するテクニックとか、人と良い関係を築いていく能力とか、そうした「総合的な生きる力」が最終的にモノを言うと思います。今回のK.Kさんの場合は、大丈夫。ここまでやれる人ならば、豪州だって日本だって、どこの国だって、私のアドバイスなんかなくったって、きっと図太く、しぶとく生きていけるでしょう。

     というわけで、今後とも末永く、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

    【後日談】(12/24更新)
    実はちょうど日系企業の内定をもらって、お世話になりますということで通い始めた矢先、なんと1日目に、今の会社からオファーをもらいました。
    今の会社はアメリカの企業(IBMではないです)の豪州支社ですが、実はもう他社で働いている..と説明したのですが、それでもということで、1日考えて、家族と晩ご飯の席で相談して(今の会社の提示給与ははるかに良かった)、
    結局わずか3日の在籍で、今のアメリカ系企業へ移りました。藁)

    某日系企業からは信じられないといった顔をされましたが。そりゃそーですね。
    でもこの日系会社、私が入った時に

    1. マシンが用意されていなくて、聞いたら2週間後と言われた。パソコンのないSEなんて悲しすぎ。
    2. 設計書を見せてほしいと言ったらそれはできないと言われた。どーやってシステム構築、保守運用をするのか?
    3. 冷蔵庫の他人のものは勝手に食べないようにとの張り紙があった。小学生なみ。犬でも飼ってたのかどーか不明。
    4. 人事担当者が宗教がかってた。視線がどこか遠いところをみてました。

    なんて状況だったので、既に1日目でかなりうんざりしてました。他社へ移れてよかったなと思う今日この頃です。

    (教訓)
    雇用契約書にサインする前に3日待て。交渉するべし。
    私は、納得しての上でサインしたいということで、サインしていなかったので、すんなり辞めて移れました。

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    内定企業:アメリカ系企業(Ndq上場)の豪州支社
    内定時期:7月後半
    その会社を志望した理由は:記念受験。正直うかると思ってませんでした。
    職種:技術コンサルタント、運用エンジニア
    競争率:10倍
    面接:約2時間、面接官3人、テスト30分、もちろん英語
    プロセス:面接1回、電話面接1回、Selection Criteria、推薦人2名
    決まるまでの期間:約3週間
    内定した決め手は何だと思いますか?:多分UnixとOracleスキル(テストもあり)
    既に内定他社があったので、リラックスできたこと。
    (但しリラックスしすぎて、自分では落ちたと思っていました。)
    現在使用スキル:Unix、Oracle、Java、B-shell、Cobol
    必要言語:英、日
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