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柏よ、驕るなかれ、初心に返れ!


 私の友人の一人が、エッセイを投稿してくれました。とても感銘を受けた私は、本人の了承を得て、ホームページに掲載することにしました。タイトルは、「柏よ、驕るなかれ、初心に返れ」。


 「勝った瞬間から負け始める」という言葉があります。世の中は恒ならず、栄枯盛衰を伴うもの。直近
の例を挙げれば冷戦勝利後の米国を見ればわかります。ソ連を打倒完了して調子に乗っていたら、
いつの
間にか世界中の反感を買ってしまっている。

 しかし私は柏にはそれが無い、と考えていました。なぜなら、柏は過去の歴史と断絶していることが1
つ。そして、松戸に勝利しようとも、また仮に周辺を併呑してみんな柏市にして人口が100万人を越した
ところでも、常磐線沿線が東京大都市圏で最低イメージであるという業(カルマ)からは自由になれず
、半永久的に地域の汚名返上の闘争・他沿線地域との競争を強いられると考えたからです。

 柏は常に冷静で、自虐的とさえ言われることもありました。しかしその冷静さ、謙虚さこそが柏の発展
を支えたストイックな精神であったと考えます。

 しかし今の柏は松戸に勝利したくらい、しかも商業面で勝利した程度で過去のそうした謙虚さを急に失
ってはいないでしょうか。

 「東の渋谷」と呼ぶ人がいます。うれしいことです。感謝の気持ちを忘れてはいけない、でもそれを真
に受けてみずからが自称するようではいけないのです。それに同調してくれる人がいったいどれだけい
るでしょう? せいぜい千葉県と、あとは茨城県のなかにいるくらいではないでしょうか?

 東京都民、神奈川県民で意地悪な連中は「イタいんだよ!」「おまえらしょせんチバラギなんだよ!」
と、偏見、悪意に満ちた感情を抱いています。彼らはなにがなんでも千葉を貶めたいのです。蔑みたい
のです。

 こうした偏見、悪意に満ちた感情をハネ返すだけの実力を質・量ともに備えるまでは決して驕り高ぶっ
てはならないのです。自虐的になれというのではなく「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」の精神
、臥薪嘗胆の精神を今一度とりもどし、東京都民、神奈川県民の偏見、悪意に満ちた感情をハネ返すだ
けの実力を名実ともに備える日まで、かつての謙虚さをとりもどして自らを見つめなおすべきなのです

 確認のためにもう再度書きましょう。仮に周辺を併呑してみんな柏市にして、人口が100万人を越したと
ころで、東京都民、神奈川県民の意地悪な連中が柏を見直すでしょうか? 否。 「チバラギの王者」と
しか見てくれません。たとえ政令指定都市になったとしても・・・現に政令指定都市でも軽蔑の対象にされる
ところがあるではないですか?

 柏に美術館を誘致するのは良い提案です。しかしそのためには良質な住民が集住していることが大切で
す。いままでの蓄積で柏には小金持ちが多く住んでいます。しかし最近の柏は彼らが新たに集まりにく
い、へたをしたら逃げ出すような政策をとっているのは残念なことです。

 ところで旧住民というのはえてして自分の地元を中心に自分の地元を見がちです。当たり前じゃないか
、と思われるかもしれません。が、新住民は東京都心に通勤したり東京都心に買い物や遊びに行くのが
日常的なために東京都心を中心に自分の地元を見ています。

 同じ地域に住みながら旧住民と新住民では地域への認識が大きくずれてしまっているのです。これは
天動説と地動説の違いといえます。

 旧住民の有力者たちは、鈴木悦三元市長の精神(*)に立ち返るためにも、また良質な新住民のニーズ
を満たしてきた再開発事業以来の政策をこれからも打ち出すためにも、あえて東京都心を中心に自分の
地元を見るクセをつけていってはどうでしょうか。

(* 昭和33年元旦に新春談話で「これからの住宅誘致は、文化的住宅都市にマッチするものを考え、た
とえば、百坪の宅地に二十坪ぐらいの二階建て住宅という環境をつくりたい」と発言)

 柏はようやくメジャーデビューしたのです。“これから”なのです。メジャーデビューして嬉しいのは
当たり前、それで浮かれてしまったらあずさ2号の狩人、なんでだろぅ〜のテツ&トモみたいな「一発
屋」で終わるのがオチです。

 もう一度言います。柏はようやくメジャーデビューしたのです。“これから”なのです。

 だから愛する柏、親愛なる柏市民、尊敬する柏の指導者に言いたい。柏よ、驕るなかれ。柏よ、初心に
返れ、と。


Manachanコメント

 私は、千葉県柏という東京郊外の街で、こんな情景を見ながら育ってきました。

 〜静かな村に、突然、東京都内まで直通する通勤電車がやってくる。開通してからというもの、年々、もの凄い勢いで団地やらマンションやらが建ち、そこに都内に通勤するサラリーマンとその家族が移り住んでくる。彼らは「新住民」とよばれ、その数はいつの間にか、土着の人々(旧住民)の数を凌駕していた・・・

 旧住民としては、当然、面白いわけがない。俺たちが先祖代々住んできた土地に、訳分からない「よそ者」がどんどん入り込んでくる。奴らは、地元のことには全く関心を持たず、行事にも参加せず、ひたすら東京を向いて仕事し、生活する。我々は、奴らを「地元の仲間」とは認めたくない・・・

 一方、新住民から見れば、旧住民の存在は面白くない。奴らは、地元の政治を牛耳っているのをいいことに、薄汚い地元中心の利益誘導ばっかりやっている。いま本当に必要なのは、通勤事情の改善や公園緑地の整備なのに、奴らは我々東京通勤者のニーズなど全く考えない。一族郎党が儲かればそれでいいと思ってる。〜

  新住民と旧住民、同じ地域に住みながらも、 地元を中心に考えるか、東京を中心に考えるかで、地域の見方が大きく違ってきます。両者が分かり合い、協力し合うことができればいいんですけど、実際問題、なかなかうまくいかない。首都圏近郊に多くみられる、統一感のない町並みや貧弱な都市景観も、両者のコミュニケーションの欠如と、不適切な施策が、積もりに積もってきた結果なのでしょう。

  私自身、バックグラウンドは旧住民です。我が家は、特に父方の一族は、先祖代々ずっと柏の近辺で暮らしてきましたし、母方の一族も、柏に越してきたのは戦中期ですが、今でも地元で商売をする者が多く、サラリーマンで東京に通勤する者はわずかです。そんな環境で育つと、どうしても地元を中心に考えがちです。

 ですが、高校時代の3年間と、社会人になってからの約4年間、都内に通勤・通学するようになってから、私のものの見方も次第に新住民的に、「東京通勤サラリーマン的」に、変わっていきました。

 前置きが長くなりましたが・・・いまの柏、これからの柏に関していえば、新住民的に、すなわち東京中心に考える以外にないと思います。柏は東京通勤圏に組み込まれて久しく、今や住民の圧倒的多数が新住民です。この街は、今後も東京大都市圏の一部として、東京と共に生きていくしかない。だから、「東京圏全体のなかでの柏地域の相対的な位置づけ」を、常に頭において思考しなくてはならない。さもないと判断を誤る。

 では、「柏地域の相対的な位置づけ」がどうなのかというと、現時点では、かなりお寒い状況です。はっきり言って、郊外住宅都市としてのブランド価値が弱い。常磐線の沿線イメージは最低レベルだし、沿線地価も東京圏最安。イメージが悪くて地価が安いから、地域全体の平均所得も下がりつつあるし、その結果税収も下がり、自治体の財政も苦しくなる一方。治安悪化も懸念されているうえに、今後、地域が急激に高齢化するなかで、行政サービスの低下が懸念されている。

  この苦境を、不況のせいにするのは簡単です。が、私に言わせれば、不況であってもなくても、東京圏全体のなかで、柏や東葛地域の相対的地位が相変わらず低いままであるのが問題なのです。首都圏における所得・文化水準の高い「良質な住民層」、そして「良質な民間投資」は、地域イメージの良い東京都心や城南地区、横浜、多摩、千葉湾岸地域などに集中し、逆に我が地域には、良質でないものが押し付けられる・・・そんな構造に甘んじているのが現状なのだと思う。

 私は、我が地域が「チバラギ」("千葉&茨城"の蔑称)と呼ばれ、東京・神奈川の意地悪な連中に馬鹿にされている、という現状を変えたいのです。我が愛する柏・東葛を蔑む奴らを見返したいのです。見返すためには、地域イメージの向上は絶対に必要です。要は、東京圏全体のなかで「柏・東葛」のブランドイメージを向上させ、首都通勤サラリーマンやその家族に選ばれる、憧れの地域を目指さなくてはならない。「良質な新住民」争奪戦で、東京や神奈川、千葉湾岸地域と、十分対抗できるような地域にならないと・・・さもなくば、海もない、交通アクセスも劣る我が地域は、将来先細りになる一方です。

 「そんなこと、気にしなければいいじゃん?」、と言う人があるかもしれません。でも そう言ったところで、 柏が東京通勤圏であることから自由になれるわけではないし、他の沿線との地域間競争から逃れられるわけでもありません。そして、東京圏における「西高東低」、「南高北低」の構図や、「東京・神奈川」による「埼玉・千葉・茨城」に対する差別圧力が弱まるわけでもありません。ハッキリ言いましょう。我が柏・東葛地域は、現時点では残念ながら、東京通勤圏における被差別地域であり、「負け組沿線」、「首都圏のおミソ」 扱いされる地域なのだと・・・こういう現状認識からはじめないと。

 それを十分承知のうえで、将来、私は柏・東葛地域が「東京都市圏のアッパーミドル層の住地」になることを夢みています。他地域から羨ましがられる、便利で活気があり、治安も住環境も良く、教育レベルも高くて文化の薫る近郊都市群になることを望んでいます。もちろん、そこに至る道は、果てしなく遠いことは分かっています。まずは手始めに、現時点で最低レベルの地域イメージを、一つ一つ着実に、ランクアップしていかなくてはなりません。

 「商都・柏」、「学園都市・柏の葉」、「Tx沿線邸宅都市・流山」、「湖畔の住宅地・我孫子」などをネタに使って、マスメディア等を活用してガンガンイメージ戦略を行う。デザイナー・アーティストの柏移住を促進し、「柏ブランド」を興して商品開発に取り組む。コピーするような連中は裁判でどんどん締め上げる!そして今年8月のつくばエキスプレス開通にあたって、流山と柏市内に新しくできる4駅については、一区画150u以上みたいな敷地面積規制を課し、景観条例をつくるなどして、大区画中心の高級感ある新興住宅地を目指す。まかり間違っても、駅前に葬儀場など建ててはならない。・・・

 そうやって、まずは総武・京成線沿線に勝つ、次に東西線・京葉線沿線ベイエリアにも勝って、東京東側で最高の沿線イメージを獲得する。東京西側の「都市イメージ優良地域」と対抗するのはそれからだ!

 何度も言いますが、柏・東葛は、東京圏全体のなかでは弱者なのです。弱者が強者に対抗するには、強者よりもより一層努力が必要だし、地域イメージのハンディがある分、人一倍頭を使って、賢く行動しなくてはならない。そして自分自身に対しては、常に謙虚であることが必要で、決して驕り高ぶってはいけない。驕ったが最後、途端に足をすくわれる!そんな危なっかしい境遇に、我が地域は置かれているのだと、常に肝に銘じる必要がある。

 いつも賑わう柏駅前、地価も2年連続で上昇し、Jリーグのチームもでき、首都圏での認知度も上がりつつある・・・今日、この街の繁栄があるのも、常に謙虚で冷静だった先人(柏の指導者)たちのおかげだと思う。 私たちは、この繁栄を子孫に残さなければならない。だからこそ、決して驕ることなく、ゼロから商都・柏をつくりあげた先輩方の心、「柏の初心」に返るべきなのだと思います。

 そして、私たちが初心を常に忘れなければ、柏・東葛は、さらに飛躍できると思うのです。

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