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私は物心ついた1970年代初頭から現在までの30年近くもの間、柏の街を見守り続けてきましたが、時にふと「もう少し早く生まれていたらなあ」と思うことがあります。私が物心ついた当時、柏はすでに「できあがった」街でした。柏駅前の三大百貨店(そごう、丸井、高島屋)もダブルデッキもすでにあったし、国道6号線、16号線といった幹線道路もあったし、常磐線快速に乗ればわずか30分で東京・上野でした。だから私は、近代都市になる以前の柏を知らないし、近代都市に変貌していく過程も目の当たりにすることができませんでした。
私が知っているのは、いつも人が大勢いてにぎやかで、大型百貨店に囲まれてピカピカに磨き上げられた商都・柏だけです。この街のイメージは、一言で言えば「富栄養な街」といったところでしょうか。富栄養といえば水質全国ワースト1を誇る(?)手賀沼のように、川や湖の汚染が進んでいるようなマイナスのイメージがありますが、「富栄養」を一文字ずつばらしていくと、どれもおめでたい意味の字になります。
富(Rich):何だかんだ言っても柏の住民は結構お金持ちだと思います。特に「小金持ち」が多い。大抵の人は不動産を持っているし、ローンの負担も他の沿線に比べて少ないからキャッシュもある。所得水準も県内トップクラスだそうです。柏周辺の小金持ちが日々お金を使ってくれるからこそ、摩天楼のような駅前の巨大商店街が商売を続けられるわけだし、超豪華結婚式で有名な柏玉姫殿のようなビジネスも成立するのでしょう。
栄(Prosperous):「栄えている」という言葉は柏のためにあるのかと思うほど、この街は繁栄しつづけています。柏駅前の百貨店群は言うまでもありませんが、近年はロードサイドの大型量販店の台頭も著しく、商都・柏は質量ともに充実の極にあります。柏駅から徒歩5分の距離にある私のマンションの窓を開けると、駅前方面から街の活気が入り込んでくるのがよく分かります。
養(Reproducing):柏市の年齢構成は全体として若く(平均35歳前後)、特に団塊の世代とその子供のベビーブーム世代の層が厚いことで知られています。つまり柏という街は、次の世代を力強く再生産し続ける街なのです。柏で生まれ育った若い世代の多くはいろいろ不満はあっても、結局仕事が沢山あって生活も便利な柏に住み続け、ゆくゆくは柏の近辺で所帯を持ち、次の世代を育んでいくのです。
この富栄養な街・柏も70年代、80年代、90年代と時代を経ていくにつれ、街の表情も常に変化しつづけてきました。柏とともに歩んできた自分の人生と重ねあわせて、この街の表情を10年毎に描き出していきたいと思います。
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