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ポスト・バブルのシドニー不動産事情

第8回:20〜30代からのビーチリタイア大作戦


 一度行けば、誰もが憧れるのがシドニーのビーチ。これほどの大都市でありながら、身近にこれほど多彩で魅力的なビーチを持つ都市は、世界でも類例を見ないでしょう。海岸沿いの遊歩道、スタイリッシュなカフェ・レストラン、瀟洒な住宅群・・・「ビーチライフ」はいつの時代も、人々の憧れの的です。

 「シドニーに住むなら、ビーチの近くがいい!」と、多くの人々が考えます。その願いは、「賃貸」であれば簡単に実現できます。人気のボンダイ、マンリーといえども、ユニットをシェアすれば、週せいぜい$100か$150くらいの出費で済みます。ところが、「不動産オーナー」としてビーチライフを実現しようとすれば、それなりの経済力を求められます。

 そこで今回は、シドニーで働く平均的な20〜30代サラリーマンが、憧れの持ち家ビーチライフを実現するために一番の早道は何か、ちょっと考えてみました。ここで着目すべきは、

住居規模のライフサイクル

 という考え方です。人々が望む住まいの大きさは、年齢や家族の人数によって変わってきます。例えばの話、独身あるいは若夫婦二人の所帯で子供がなければ2ベッドルームのユニットで十分と考える人が多い。ところが子供ができて成長すると、広い庭付きの一戸建てを求める人が多い(アップサイズ)。その後子供が成人・独立して自分の所帯を持つようになり、老夫婦二人だけのリタイア生活になると、若夫婦時代と同じく2ベッド程度のユニットに住みたがる人が多い(ダウンサイズ)。そう考えた場合、

・まだ若くて子供がいない時、ビーチ近くに2ベッドのユニットをローンで買ってしまう。
・子供ができて成長したら、もっと地価の安い内陸部で土地付き一戸建てを買ってそこに住む。ビーチユニットは賃貸に出す。
・子供が独立して自分がリタイアしたら、ビーチユニットに移って余生を満喫する。その時までに、ローンを完済しておく。

 という戦略を立てることができます。今度は、もう少し具体的にみてみましょう。例えばの話、あなたがいま33歳既婚で、間もなく子供をつくる予定で、しかも、リタイア予定年齢が58歳だとします。その場合、「いますぐビーチユニットを買い、25年ローンを組んで、58歳時点までに完済する」、「その他に一戸建てを買って住み、その間、ビーチユニットを賃貸に出す」ことができれば、上記の条件が全て満たされることになります。

 これは、プランとして現実的なのか?私の計算では、十分現実的です。例えばDee Why Beachでは、2ベッドの中古ユニットの値段が$30万台の前半、それを賃貸に出すと週$250〜260とれるケースが多い。仮に、ユニットを$30万で買い、頭金$6万で25年ローンを組み、賃貸料が$250だとして試算すると...

※)その他前提:空室率:5%、不動産管理手数料:7%、ローン返済月額:$1696、水道:$30/月、市税:$50/月、マンション管理費:$100/月、税金優遇分:$200/月

月あたりの収入=(賃貸料)(空室率)−(不動産管理手数料)
$250/週 * (52/12) * 95% * 93% = $957

月あたりの支出=(ローン返済月額)+(水道)+(市税)+(マンション管理費)-(税金優遇分)
$1696 + $30 +$50 + $100 - $200 = $1676

 この試算でいくと、月あたり約$720の持ち出しになりますが、これだけ負担すればビーチユニットを賃貸に出しながら維持でき、しかもリタイア時点でローンが完済できるのです。もちろん、子供を育て、一戸建てのローンを返済しながら、さらに月$720の追加負担が出るのはキツいかもしれませんが、憧れのビーチリタイアライフを実現するための「夢のお値段」と考えれば、意外とお買い得なのかもしれません。

ビーチ近くでリタイア♪

著者:まなちゃん@Parramatta
ホームページ:http://www.manachan.com
eメール:mana33chan@aol.com