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ポスト・バブルのシドニー不動産事情

第2回:相場を読む(1)〜中心から周辺へ地価波及の法則


 これから数回に分けて、不動産相場のツボについて書いてみます。

 不動産は一生で一番大きな買い物と言われます。だから人間誰だって、家を買う時はできるだけ安く買い叩きたいし、売る時はできる限り高値で売りたいものですよね。でも不動産にはガソリンや野菜と同じく、「その時点での相場」というものがあって、売り手も買い手も、相場を極端に離れた値段で売買できるものではありません。ですから、相場がどのように決まるのか、どんな動き方をするのかを、知っておいて損はないでしょう。もちろん、不動産相場に影響を与える要因は無数にあり、細かく書いてたら一冊の本にも書ききれなくなってしまうので、ここではいくつかの重要なポイントを指摘するに止めます。

今回の命題はこれです。
 〜どの都市でも、地価は中心から周辺へ波及する

 シドニーを例にとると、この都市では1994年以来、不動産相場がほぼ一本調子で上がり続け、この間、一戸建て住宅の平均価格は約2.6倍になりました。「20万ドルでお釣りがくる」時代が、今や「50万ドルでも足りない」時代に突入です。

 それではこの間、シドニーの各地域ではどんな値段の動きをしたのでしょう?まずはEastやLower North Shoreのような、シティに近い、イメージの良い住宅地の価格が真っ先に上がりました。もう少し時間が経つと、値上がり地域がより周辺へ、例えばUpper North Shore、Inner West、South方面にじわじわと波及してきました。さらに数年経つと、WestやSouth Westのような地域が値上がり組に加わり、「シドニーのどこで家を買っても値上がりする」時代になりました。

 この「中心から周辺への地価波及の法則」は、値上がり局面だけではなく、値下がり局面にも当てはまります。シドニーの場合、昨年の後半から不動産バブルが弾け、値下がりする地域も出現してきました。今年3月末時点で、どの地域の値下がりが激しかったのか調べてみると、やっぱり「シティに近い、イメージの良い住宅地」なのです。カウンシル別の統計になりますが、やっぱりLower North Shoreは、軒並み下がってますね。

2003年12月期〜2004年3月期にかけての、House平均価格の推移』
Mosman=マイナス22.7%、Ku-ring-gai=マイナス16.6% 、Lane Cove=マイナス15.8%、Manly=マイナス12.2%

 面白いことに、値下がりの波は、まだ西部地域には波及してきていないようです。
Concord=プラス13.8% 、Burwood=プラス11.8%、Ashfield=プラス7.6%、Parramatta=プラス4.7%

 私は、西部のParramattaに住んでいますが、当地の不動産広告を見る限り、「バブル崩壊なんてどこの話?」と不思議に思えるほど、未だ順調に値上がりしています。ま、「北」や「東」の人気エリアと比べて物件価格がかなり安いので、まだまだ上昇余地があるのでしょう。

 とはいえ、もし「北」や「東」の相場が今後も下がり続ければ、それは必ず「西」にも波及してくるでしょう。要は「時間差の問題」・・・だとすれば、未だバブル崩壊を知らない「西」に住む我々にとって、今は「千載一遇のチャンス」なのかもしれません。すなわち、「自分のエリアの相場がまだ下がらず」、「一ランク、二ランク上の住宅地の相場が下がった」時点をうまく拾って、思い切って買い換えてしまうチャンスなのだと。

 もう少し詳しくみていきましょう。いま私の住んでいるサバーブはここです。
North Parramatta (ZIP:2151):Houseの平均価格=$564,000 (年間15%上昇)

 で、私が「いま虎視眈々と狙っている」一ランク、二ランク上のサバーブといえば、例えば・・・

Haberfield (ZIP:2045):Houseの平均価格=$769,750 (年間13%下落)
Dee Why/Cromer (ZIP:2099):Houseの平均価格=$710,600 (年間5%上昇)
Eastwood/Marsfield(ZIP:2122):Houseの平均価格=$670,000 (年間6%上昇)

 これらのサバーブは、比較的シティに近い「北」または「インナーウェスト」に属し、その住宅相場は、現時点でNorth Parramattaより20〜30%高いのですが、過去一年間の上昇率はマイナスか、良くて一ケタの上昇に止まっています。一方、我がサバーブは相変わらずの二ケタ成長・・・ということは、あと数年で追いつけ追い越せ、とまではいかないにせよ、彼我の差が最小になった時点を狙って、買い換えるのもアリかなと思います。

 いま、良いタイミングで一ランク、二ランク上のサバーブの物件を手に入れるメリットは大きいです。というのは、「地価波及の法則」からいっても、数年後、バブルの後始末が一段落して、シドニーの住宅相場がまた上がりだした時に、「シティに近い人気サバーブから先に上がりはじめる」と予想されるからです。ということは、その時点で、「自分のエリアの相場が上がりはじめて」、「西エリアの相場がまだ上がっていない」タイミングを見計らって、うまくすれば豪邸を手に入れることが視野に入ってくるかも・・・

 最後になりますが、これから初めて家を買う方、或いは買い替えを検討されている方へ一言。現時点であれば「西」、例えば「AshfieldからParramattaにかけての地域」を注目されてはどうかと。というのは先ほど申し上げた通り、これらのエリアはまだ住宅バブル崩壊を知らず、ここ数年の下落局面における値下がりリスクが比較的少ないと思われるからです。とにかくここで「買っちゃって」、「しばらく時間稼ぎ」しながら、「北」や「東」の憧れのサバーブの相場が下がるのを常にウォッチしておいて、「これは!」と思うのが見つかったら買い換えるのも賢いやり方かな、と思います。目指せ「西エリアを使った資産倍増計画」・・・でも西エリアって物価も安くて便利で、慣れたらとても住みやすい所なので、そのままずっと住み続けてしまうかもね。

著者:まなちゃん@Parramatta
ホームページ:http://www.manachan.com
eメール:mana33chan@aol.com