|
前編では、不動産投資が私にとって単なる資産形成にとどまらず、「趣味」や「生きがい」になっていること、基本的なスタンスとして「趣味と収益のバランスをとりたい」と考えていること、また「インフレ時代は近し!」の予感から、いま日本の不動産に注目していること、等々について書きました。後編では、私が具体的にどんなことを考えているのかを、詳しくお話ししたいと思います。
1.不動産収益を見る目
最近、ちょっとムシの良いことを考えたりします。「いまの勤め先(IBMオーストラリア)が、私を日本のIBMに、2年くらいの間、出向させてくれたらいいなあ」と・・・
別にホームシックになってるわけじゃありません。もし私が、日本で働くことになったら、当然日本円で給料をもらうことになる。1年以上働けば、日本の源泉所得証明書をもらうことができ、それを元に金融機関で住宅ローンを組んで、日本の不動産を買うことができる・・・というのが主な動機です。ここで、「2年間」という期限をつけたのは、
- 1年間以上日本円で所得を得られれば、日本で住宅ローンを組める可能性が高い
- また1年あれば、「理想の投資物件」を選ぶだけの時間が十分とれる
- しかし、もし日本滞在が3年以上に伸びたら(=オーストラリアを3年以上離れたら)、せっかく苦労して得た豪州永住権が失効してしまう恐れがある
- だから、間をとって「2年」が妥当なところだろう
ということです。もし、日本の不動産を買うだけの現金があれば、ローンなんか気にせず、ポーンと買っちゃうこともできるのになあ、とも思うのですが、それは私にとって、まだまだ夢物語です:-)
それでは、日本でどんな物件を買いたいのかというと、ずばり、月数万円単位の安定した賃貸収益が見込める物件です。もちろん、「ローンを返済しながら」、「管理費や固定資産税などを払いながら」、「空室が出た際の損失も考慮しつつ」、それでもなおかつ、「コンスタントに月4〜5万円程度の黒字が出る物件」が私の理想です。今の日本でそれを求めようとしたら、おそらく、「東京など大都市」の「都心近くで交通至便な立地」で、「若い夫婦向きの1LDK〜2LDKくらいの間取り」の「中古マンション」を、「手頃な値段で買い叩く」というシナリオになると思います。
では、このシナリオを実現するために、どういうアプローチをしていけばいいのか、私なりに考えてみました。その前にまず、不動産の投資収益をどう評価するか?というところからお話ししていきたいと思います。世の中には、投資収益を判断する「尺度」がゴマンとありますが、その中から代表的なものをいくつか紹介していきましょう。
ここで話を分かりやすくするために、架空の人物に登場してもらいましょう。
<<ケーススタディ>>
東京の中堅広告代理店に勤める独身男性、Aさん(32歳)。彼は東京に勤めるサラリーマンとしては結構恵まれていて、両親が郊外に建てた二世代住宅に住み、そこから通勤しています。二世代住宅だから、近い将来、伴侶となる女性が現れたとしても親元で暮らせるわけですが、でも30を過ぎて、将来につながるようなことの一つもしてみたいと考え、思い切って投資向きマンションを購入しました。場所は東京杉並区、2LDKで築17年、購入金額は2000万円ちょうどで、25年ローンで頭金は20%(400万円)で諸経費が160万円。Aさんはこの物件を、100万円かけてきれいにリフォームした後、月15万円で賃貸に出せると判断し、最寄の不動産店と管理契約を結びました・・・
尺度その1.外形「利回り」
いま日本で一般に「利回り」と言われているのがこれです。
(利回り)=(年間の賃貸収入)÷(物件価格)
これは、住宅ローンの額や利率、必要経費(マンション管理費、修繕積立金、固定資産税など)を全く考慮せず、単に物件価格と賃貸収入の比率を計算したものですので、「外形」利回りと呼ばれています。本当は、より詳しく見ないと「儲かるかどうか」を判断できないわけですが、それでも尺度の一つとしては役に立ちます。ちなみに、Aさんの購入した物件の場合、利回りはこうなります。
年間の賃貸収入=15万円×12ヶ月=180万円
物件価格=2000万円
利回り=180万円÷2000万円=9.0%
現在、都内の投資向きマンションで、利回り9%というのは、標準的なところでしょう。私の経験で言うと、投資判断の目安は、こうなります。
利回り8%以上:頭金少な目で、ローンを組んで買っても何とかなる
利回り5〜8%:買うなら頭金を多目(最低30%以上)に積みたい
利回り5%以下:投資用としては、手を出すべきではない
尺度その2.キャッシュ・オン・リターン
次に、不動産投資が本当に儲かるのかどうかを、より詳しくみてみましょう。その際、「キャッシュ・オン・リターン」(Cash on Return)という尺度が役に立ちます。これは、「いくら初期投資したか?」、その結果「いくらお金の出入りがあったか?」という、キャッシュフローに注目する手法です。ベストセラー・金持ち父さん、貧乏父さんシリーズでも、この手法が採用されています。
(キャッシュ・オン・リターン)={(年間収入)−(年間支出)}÷(初期投資額)
Aさんの購入した物件の場合、仮に希望通り月15万円の賃貸収入が得られるとすれば、キャッシュ・オン・リターンはこうなります。
A)初期投資額
頭金 400万円
+諸経費 160万円
+リフォーム代 100万円
計 660万円
B)年間収入
賃料 180万円 (15万円×12月)
−空室率5% 9万円 (180万円×5% )
計 171万円
C)年間支出
管理手数料6% 10.2万円 (171万円×6% )
+マンション管理費等 24.0万円 (2万円×12月 )
+固定資産税等 12.0万円(1万円×12月 )
+ローン返済 84.5万円 (7.04万円×12月)
計 130.7万円
キャッシュ・オン・リターン=(171万円−130.7万円)÷660万円=6.1%
Aさんのケースでは、660万円投資した結果、1年間に40.3万円の収益が上がっているわけですから、年間の収益率(キャッシュオンリターン)は6.1%ということになります。銀行に預けても金利がほぼゼロの昨今、これはかなり効率の良い投資と言えましょう。
その他、例えばDCF法(Discount
CashFlow)といって、賃貸収益と将来の売却益を同時に評価できるような便利な手法もあり、私もよく参考にしているのですが、紙幅の関係上、ここでは割愛させていただきます。
2.東京都心型マンションの魅力
これは世界中どの都市にも共通していえることだと思いますが、人々は都市の中心部(都心部)に集まろうとします。経済活動も都心部で最も盛んに行われ、郊外に行くほどその密度が薄くなります。不動産の賃貸にしても、都心に近いほど、或いはアクセスの良いほど、より多くの人が高い賃料を払っても借りたがる。これは、一般的な傾向といって良いでしょう。
もう一つ、不動産には「土地付き住宅」(一戸建て等)か、或いは「集合住宅」(マンション、アパート等)か、という区分もあります。人は一般に、若くて家族人数が少ないほど集合住宅に住みたがり、両親が働き盛りで育ち盛りの子供がいる家庭ほど土地付き住宅に住みたがるなど、ライフスタイルの変化に応じて居住形態を変えるものです。が、不動産の賃貸という一側面に注目した場合、一般に「集合住宅の方が収益効率が良い」と言えそうです。その理由は簡単で、賃料は概して、(立地のほか)「可住面積」や「間取り」によって決まるものですが、土地(庭)の場合、「可住面積」にも「間取り」にも関係ないから、賃料にはあまり影響しない。でも、土地そのものに「坪あたりいくら」という値段がついているから、庭の広い戸建住宅ほど、「取得価格は高い」のに、「その割に賃料は安い」ということになるのです。
じゃあ、どうして多くの人が土地付き一戸建てに住みたがるのか?確かに、広い土地があると住んでいて気持ちが良いし、また庭でガーデニングをしたり犬を飼ったり、素振りやパターゴルフをしたりという、「土地の利用価値」もあるのでしょう。その他、インフレや好景気によって不動産価格が値上がりする局面になった場合、土地があると値上がりが速い、というメリットもあります。例えば、ここ10年近く不動産価格が上がり続けたシドニーの場合、郊外の土地付き住宅の資産価値は、「4年間で2倍」が相場なのに、マンションの場合、「同じ4年間で1.5倍いけば御の字」でした。つまり土地付き住宅は、賃貸収益(インカムゲイン)ではなく値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いやすい不動産といえましょう。もっとも、バブル崩壊以降の日本のように、デフレ状況になれば、土地付き住宅の資産価値は一気に下落し、「多額のローンを抱え、売り逃げもできない」という事態になりかねませんが・・・
これらの特性を考慮した上で、「都心マンション」、「郊外マンション」、「郊外一戸建て」という3種類の住宅を評価してみると、次のようになります。
賃貸収益(利回り、キャッシュオンリターンetc.)
都心マンション>郊外マンション>郊外一戸建て
取得価格
都心マンション>郊外マンション<郊外一戸建て
値上がり益(インフレ時)
都心マンション=郊外マンション<郊外一戸建て
例えば、我が家では現在、日本(首都圏)とオーストラリア(シドニー圏)に、「都心マンション」、「郊外マンション」、「郊外一戸建て」という三種類の住宅を所有していますが、次にみるように、それぞれの賃貸収益は、まさに(都心マンション)>(郊外マンション)>(郊外一戸建て)の順になっています。
|
都心型マンション |
郊外型マンション |
郊外型一戸建て |
| 所在地 |
シドニー都心(City) |
東京郊外(千葉県柏市) |
シドニー郊外(Parramatta) |
| 外形利回り/年 |
8.6% |
6.5% |
4.4% |
| キャッシュオンリターン/年 |
+4.4% (実績) |
-1.8% (実績) |
-12.6% (予測値)(注1) |
| 空室率 |
2% (実績) |
11% (実績) |
11% (予測値) |
| 備考 |
新築で購入 |
中古で購入 |
中古(築浅)タウンハウス |
(注1)予測値:私たちは、この物件にいま住んでいます。仮にこの物件を賃貸に出したとして、現時点での賃貸相場等をもとに、キャッシュオンリターンを算出しました。
上にみるように、郊外型一戸建ての住宅を投資物件として見た場合、年々、投資した額の12〜13%もの赤字を垂れ流すことになり、これはもうお話になりません。つまり、この種の物件は、「住むためのもの」、「将来、値上がり益を期待するもの」ではあっても、「賃貸収入を得るもの」ではないのです。
ところで、いま振り返ってみて、「失敗した」とまでは言わないまでも、「ちょっと痛い教訓だったな」と思うのが、東京郊外(柏市)に所有するのマンションです。私はこの物件を1998年に購入し、オーストラリアに移住した2000年以降、地元の不動産会社に頼んで賃貸に出し、今日に至っています。これはもともと投資用としてではなく、あくまで「自分が住むため」に買いました。柏は私の生まれ故郷だし、家族も親戚もほとんど全員が柏近辺に住んでいるし、東京への通勤も可能だし、それに何といっても、大型店舗の林立する柏駅前のあの素晴らしい利便性(注2)・・・私にとって、柏は首都圏で一番住みやすい土地なのです。
(注2)郷土自慢も少し入ってますが、実際、柏駅の近くに住んで、「半径500メートル以内で何でも揃う」あの便利さを一旦味わったら、他の土地には住めなくなりますって・・・
この物件を買うにあたって、「将来、賃貸に出すこと」は、少しだけ頭のなかにありました。当時、私はまだオーストラリアの永住権を取っていませんでしたが、すでに全国を転々とする転勤族生活を送っていましたので、人生の一時期、首都圏を離れて別の土地に住むことは、十分ありえることでした。だから、「柏に住みたい」という希望と、「将来、転勤になった際、少しでも賃貸に出しやすい物件が良い」という思惑とのバランスの中で、私が決断したのは、「柏の駅から徒歩5分以内のマンション」という選択でした。
その選択は、柏のなかだけで見れば、間違ってはいませんでした。この不況下、そして都心回帰のご時世、柏駅から遠いマンションほど、賃貸は惨憺たる有様で、特にバス便でしかアクセスできないマンションなどは、いくら賃料を下げても借り手が全く見つからない、という状況でした。その点、私の買ったような駅近のマンションはまだ救われていました。
でも問題は、「柏が東京から遠すぎる」ことです。言い換えれば、現時点の経済状況下でマンション投資を考える際、柏ではちょっと「郊外すぎる」のです。柏から東京都心(大手町)まで電車で40〜45分、確かに、通えない距離じゃない。実際、柏から都内へ通勤する人は非常に多い。でもそのほとんどは、柏に一戸建てかマンションを買った「持ち家層」です。バブル期、都内に住めなかった時代ならいざ知らず、今や地価下落で一般庶民が都内の便利な場所に住める時代。そんな時に、わざわざ柏に賃貸のマンションを借りて満員電車で東京に通勤する人なんかいません。ですから、いかに駅近といえども、柏のマンションを借りてくれるのは、「職場が柏近辺にある」人か、或いは「旦那さんが筑波学園都市勤務、奥さんが東京勤務、その中間をとって柏」という人々ばかりです。
それでも、まあいい。柏は東京近郊有数の繁栄都市ですから、それなりに職場もあります。借り手は、それなりにいます。ですが、やはり東京都内と比べてしまうと、当たり前ですが人口が断然少ない。それが、痛恨(?)の「空室率11%」という数字になってしまいました。空室率11%というのは、1年間のうち、1〜2ヶ月(正確にいえば1.3ヶ月)は空室で、収入がない状態のことです。その結果、キャッシュオンリターンは、年マイナス1.8%という数字になっています。仮に空室率が5%以下であれば、プラスの数字になっていたはずです。
それに、いくら赤字だからといって、「売り逃げ」もできません。今の日本は、まだまだ地価下落が続いており、中古マンションの資産価値も下がっています。要は、いま売ったらバカバカしい。だから私にできることは、マンションを維持しながら、こまめなリフォームなど、オーナーとして最大限の誠意を尽くすことによって、お客さんに気持ちよく、長く住み続けてもらうだけです。空室率を可能な限り下げて、キャッシュオンリターンをプラスにもっていくことです。
しかしながら、この投資(?)が完全な失敗だったのかというと、そうでもないと思います。確かに、今のところ収益は上がっていない。ですが、私がこの物件を買った1998年から今日までの日本経済は、近代でも稀にみる絶不況の時代でした。不動産市場も値崩れがひどく、メロメロでした。そんな逆境の時代に、たかだか月数千円程度の損失(というかほとんどプラスマイマスゼロ!)で済んでいるのは、そう悪くはないんじゃないか、という見方もできるでしょう。
それに、この損失は「授業料」という見方もできます。この4年間、私はオーストラリアにいながら、日本にある不動産を「遠隔操作」するのがどういうことかを、身をもって学びました。入出金の管理、空室が出た場合の迅速な対応、リフォーム戦略、駐車場の手配、賃料交渉のテクニック、管理会社との信頼関係の構築等・・・何しろ自腹を切っているのですから、真剣にならざるを得ません。これを4年間続けたことにより、ある程度自信もつきました。そこから、「日本で第二の投資物件を」という発想が生まれてきました。でも今度こそは、前回の轍を踏まないように、最初から「収益目当て」で、ちゃんと「儲かる」物件を、シビアに見きわめようと思っています。
結論をいいますと、いま私が欲しいと思うのは、「超都心型マンション」です。すなわち、いま我々がシドニー都心に所有するマンションを上回る、「外形利回り10%以上」、「キャッシュオンリターン8%以上」の収益を上げられる物件です。これは、恐らく東京都心部のかなり交通至便な立地で、築年数のある程度経った中古マンションでないと実現できないでしょう(新築は高い!)。
|
超都心型マンション |
都心型マンション |
郊外型マンション |
郊外型一戸建て |
| 所在地 |
東京都心(?) |
シドニー都心 |
東京郊外 |
シドニー郊外 |
| 外形利回り/年 |
10%超 |
8.6% |
6.5% |
4.4% |
| キャッシュオンリターン/年 |
+ 8%超 |
+4.4% |
-1.8% |
-12.6% |
| 備考 |
中古で購入 |
賃貸継続 |
賃貸継続 |
住居用or売却(?) |
具体的には、例えば、2000年前後に東京都心部で大量に売り出されたコンパクトマンションを、築5〜6年程度経った時点で安値(例えば2000万円弱)で拾って、ローンを組んでリフォームしてさっさと賃貸に出す、という手でもいいかもしれません。いずれにせよ、立地や建物のコンディション、管理体制などは非常に重要なので、よく研究、吟味してから選びたいと思っています。
3.第二の道・・・目指せ札仙広福!
或いは、首都圏を離れて、札幌、仙台、広島、福岡といった人口100〜200万規模の地方都市で、数百万円台のマンションをキャッシュでポーンと買ってしまって、それを賃貸に出す、という手もあるのでしょう。
札仙広福(さっせんひろふく・・・札幌、仙台、広島、福岡)の魅力といえば、何といっても「住みやすさ」。転勤族サラリーマンに聞いた、「住みやすい国内の都市」で常に上位にランクされるこの4都市は、いずれも大都会で、都市機能は一通り揃っています。でも東京・大阪ほど高密度ではありません。適度な利便性と、適度な安らぎ・癒しが同時に得られ、打ちひしがれる要素も少ない・・・私は、2〜3年の間なら東京でも構いませんが、10年〜20年という長い期間、子育てをしながら暮らすとすれば、「札仙広福」の方が断然いい!と考えます。また老後暮らしを考えても、札仙広福は悪くない(注3)。
(注3)「札仙広福」から選ぶとすれば、若くて元気な時は福岡で、老後は広島で過ごすのがいいかも。海、山、温泉、島、酒、魚、路面電車、瀬戸内海気候・・・広島リタイアライフって、魅力的だと思う。
さらに、札仙広福の魅力は、東京と比べて、「投資向きマンションの価格が断然安い」ことです。ざっとみたところ、東京の半値から3分の1、売値が700〜800万円で、賃料が月6万近くとれるような物件がゴロゴロあります。売値が1000万円を切れば、マンション投資者の夢、「キャッシュでの購入」が視界に入ってきます。特に私たち海外居住者にとって、ローンを組まずに物件が購入できるメリットは非常に大きいです。日本で働かなくとも買えるのですから・・・
また、「ローンを返さなくていい」という、心理的な安心感も見逃せません。日本は、地震国です。もし万が一、大地震で自分の物件が倒壊したら、或いは大きな損傷を受けたら・・・その場合、ローンが残っているといないのとでは、心理的に大きな違いがあります。
仮に、札仙広福の都心近くに中古マンション(2LDK)を750万円でキャッシュで購入、賃料が月5.5万円、空室率10%、その他の諸費用を標準的な線(購入時諸経費100万、リフォーム代50万、管理費・修繕積立金1.8万/月、税金0.4万/月、管理代行料5%)で試算すると・・・
外形利回り=66万円÷900万円=7.3%
キャッシュ・オン・リターン=30.1万円÷900万円=3.3%
東京の都心型マンションには及びませんが、まあまあの安定的リターンといえましょう。私の不動産ポートフォリオでいえば、これは「都心型マンション」と「郊外型マンション」の中間に位置付けられそうです。
|
都心型マンション |
地方都市型マンション |
郊外型マンション |
郊外型一戸建て |
| 所在地 |
シドニー都心 |
札仙広福の都心 |
東京郊外 |
シドニー郊外 |
| 外形利回り/年 |
8.6% |
7.3% |
6.5% |
4.4% |
| キャッシュオンリターン/年 |
+4.4% |
+3.3% |
-1.8% |
-12.6% |
| 備考 |
賃貸継続 |
キャッシュで購入 |
賃貸継続 |
住居用or売却(?) |
一つ、面白いことに気づきました。札仙広福を比較してみると、地価やマンション価格に結構差があるようなのです。
地価・中古マンション価格
札幌<仙台<広島=<福岡
このように、南または西へ行くほど、相場が高くなるようです。なぜなのかは、よく分かりません。札幌・仙台は広島・福岡に比べて土地に余裕がある分、地価が安いのかもしれませんし、或いは、アジア経済の発展によって福岡の拠点性が増し、札幌、仙台、広島より経済的に栄えているから、その分高いのかもしれません。でも、首都圏育ちの私にとって、四都市とも「同じくらいの規模」で、「同じくらい栄えている」地方中核都市に見えますから、特に「札幌の安さ」と「福岡の高さ」については、もう少し調べてみる必要がありそうです。
あと、気候や住まい方の違いについても留意する必要がありそうです。広島、福岡であれば首都圏と同じ感覚で大丈夫でしょうが、北方、特に札幌は寒冷地で降雪量も多い。このような気候の上に建つマンションは、当然東京と同じ設備内容ではないでしょうし、除雪、ロードヒーティング、セントラルヒーティング等、東京では考えなくても良い出費も発生するのかもしれません。もし札幌でマンションを買うなら、その辺も研究してみたいと思います。
4.老後の自由のために
最後になりますが、不動産投資は私にとって、老後の生活資金づくりという意味も持っています。
私は、基本的に渡り鳥的な人間だからかもしれませんが、自分や家族の老後の暮らしは、自分で面倒見るしかないと思っています。私は、自分の生活保障にあたって、国家というものをはなからアテにしてない。それは日本でもオーストラリアでも、どの国であっても同じです。年金制度をどうするか、真剣に考えている人にこんなこと言っては申し訳ないんですけど、どんなに裕福な福祉国家であっても、私みたいな「渡り鳥」渡世人の老後の面倒を見ることはできないのでしょう。
さて、老後の生活資金がいくら必要になるのか?というのは、個人によって全然違います。ライフスタイルによっても、家族構成によっても、場所や資産によっても・・・日本では、保険会社や銀行などが「全国平均では、老後の生活費はこれだけかかります。今から準備しないとダメですよ」みたいな宣伝を盛んに行っていて、オーストラリアでもその類の宣伝を最近よくやるようになりましたが、私は、ああいうものは大して意味ないと思います。そもそも老後の生活費というものは、自分が老後の生活をどうしたいかによって決まるものだからです。
私の場合は、老後資金は少なめで良いかもしれません。もともと浪費癖ないし、お金のかかる趣味もないし、見栄も張る気も、子孫に美田を残す気もない・・・私の義理の家族には、事業に成功して財をなして、70代、80代になっても現役の社長で頑張り、お金が使い切れない程あって毎年スタープリンセス号のクルーズを楽しむ、みたいな老人が少なくありませんが、私は彼らを見ても全然羨ましいとは思わない。彼らは私を見るとよく、「お前は早く事業を興した方がいい。今みたいにサラリーマンを続けていても、ちまちました小金持ちにはなれても、大金持ちにはなれないぞ」と言いますが、私は別に、大金持ちが小金持ちより幸せだとも思わない。むしろ、「大金持ちでなくても、とりあえず苦労しないだけのお金があって、自分らしい暮らしを気兼ねなく送れるのが最高だ」と思っています。
但し、「財産の自由」(Financial Freedom)だけは是が非でも確保したい。私は、自分の老後資金を、「自分のコントロールの及ばない何者か」に依存したくない。例えば、老後資金を専ら国の年金や福祉制度だけに頼るような状況に我が身を置きたくないのです。なぜなら、国の制度なんてものは自分のコントロールできる範囲を超えているからです。もちろん、国民の生活保障システムたる公的年金・福祉制度を否定する気は毛頭ありませんが、でも、自分の老後を年金に依存することしか考えず、やれ年金制度が大変だ!給付が減らされる!などと大騒ぎするより、若い頃から自分の頭を使って資産づくりをした方がずっと楽しくて勉強になるし、その結果として老後の生活を自分で面倒みられるようになれれば、最高だと思うのです。
もちろん、その道は遠いです。先ほど紹介した不動産投資にせよ、私のようなサラリーマンが現実的に手を出せる範囲でいえば、一つのマンションから安定的に上げられる賃貸収入は、せいぜい月4〜5万円程度に過ぎません。1つ、2つのマンションの賃貸だけでは、暮らしていけないのです。だから、不動産で食っていくには、3つ、4つと、持つ必要がある。それに不動産は息の長い投資ですから、当然値下がりリスクもあれば、カントリーリスクもある。ローンの利率が急に上がるリスクもあれば、マンション所在地の都市が衰退したり、天災に見舞われるリスクもある。だから、できるなら複数の国、複数の都市に、違うタイプの物件を持つのが望ましい。私もいま、日本とオーストラリアという二つの国を舞台に、私なりの「ベストミックス」、「ベストポートフォリオ」を模索しているところです。
それと同時に、「好きな街に住む喜び」も忘れないでいたい。今後、「あの街に移住したい」と思い立った時に、誰に気兼ねすることなく、敷金や保証金などの心配もすることなく、自分の持ち家に住めるなら最高だろうと思います。その日を夢見て、がんばります!!!
|