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シドニー日記・職業生活編第104回

能力主義と社員のやる気 (2004/2/26)


 私の勤め先・IBMは以前より、能力・成果主義に基づく賃金体系で知られていましたが、最近、その賃金体系が改められ、より成果主義にシフトした、「社員の間に差をつける」賃金体系に変わりました。新制度の施行は2004年度からで、つい昨日、人事部によるオリエンテーションが行われたばかりです。

 私たち働く者にとって、賃金は常に一番の関心事です。労働の対価である賃金がどのようなルールで決まるのか、それによって「やる気」が引き出されることもあれば、そがれることもあります。また経営者にとっては、いかに社員のやる気を引き出すような賃金体系にするかが、企業の競争力や業績に跳ね返ってきますから、大変関心が高いテーマだろうと思います。そこで今回は、IBMの賃金体系改訂を題材にして、能力・成果主義の賃金体系と社員のやる気との関係について、一考してみようと思います。

1.IBMの「旧」賃金体系

 まず、2003年度までのIBMの賃金体系(旧体系)がどうなっていたかについて、お話ししたいと思います。

 他の国ではどうなのか知りませんが、ここ豪州のIBMでは、原則として我々ITエンジニアの給料は年俸制です。年俸はパッケージ(Package)とか、トータル・マーケット・バリュー(TMV)などと呼ばれますが、要はプロ野球選手みたいに、労働契約に基づいて、「あんたの年俸はいくらですよ!」と、きっちり決められています。したがって残業代はゼロ(※チームリーダー、マネージャークラスにはサービス残業が多い)。ついでに言うと、交通費や住宅手当の類も一切支給されません。会社からもらえるのは、ただ年俸のみ。そこから社会保険料と税金が差し引かれ(涙)・・・その代わり、年休だけはしっかり20日もらえますけどね。

 但し、この年俸の額が「ちょっとだけ」変動するようなしくみになっています。これが、Variable Pay(変動賃金)とよばれるもので、年俸の約5〜6%にあたる部分が、会社のビジネス目標達成度(利益、売上、顧客満足度など)および個人の業務評価によって、大きくなったり小さくなったりします。日本でいえば、Variable Payは「ボーナス」の感覚に近いと思います。

 右の図は、あるIBM社員の年俸を分かりやすく図式化したものです。彼の年俸は、基本給部分(87%)、企業年金部分(8%)、そしてVariable Pay部分(約5%)に分かれています。

 このうち、支払いが保障されているのは基本給部分のみです。企業年金は、「天引き」されるものですし、またVariable Pay部分は、会社の業績、個人の業務評価が目標に達した場合にのみ、満額支払われるものです。

 

 上の図でいうと、彼が「手取り」できる部分というのは、次の通りになります。

 (基本給)+(貰える保障のないVariable Pay)-(税金)-(健保)=(手取り)

 で、もし彼が運良く、Variable Payを満額もらえた場合、手取りはこうなります。

 基本給($56,415)+VP($3,413)-税金($15,508)-健保($897)手取り($43,423)

 ですが実際問題として、我々社員がVariable Payを満額もらうのは、現時点ではかなり難しいです。まず、いまの業界景気の現状からして、IBMがビジネス目標を達成すること自体が難しい。私が豪州IBMに入社した2000年から2002年までの3年間、IBMは一度も目標を達成できませんでした。2003年になってようやく、業界景気が少しだけ上向いたこともあって、なんとか目標を達成できたようです。

 仮にIBMが100%目標を達成したと仮定すると、次に問われるのは社員個人の業務評価です。業務評価とVariable Payの関係は、旧制度ではこうなっていました。

成績 定義 Variable Pay 社員の割合
Band1 傑出した達成度 基本給の9% 10〜15%
Band2 要求水準を達成 基本給の6% 65〜70%
Band3 要求水準をいくらか達成 基本給の3% 15〜25%
Band4 要求水準を達成できず ゼロ 不明

 上にみるように、大多数の社員(65〜70%)はBand2に属しており、彼らはIBMがビジネス目標を達成できれば、満額の「基本給の6%」のVariable Payを手にできることになります。私の場合も、入社した年こそBand3だったものの、それ以降はずっとBand2できていますが、満額を手にすることができたのは、IBMが目標を達成した2003年度(入社4年目)を待たねばなりませんでした。

2.IBMの「新」賃金体系

 次に、2004年度から施行される「新」賃金体系について、詳しく見ていきましょう。

 今回の改正の目玉は、Variable Payが廃止され、Incentive Bonusという名称になったことです。但し名称は変わっても、その本質はVariable Payと大差なく、会社の目標達成と個人成績(Band)によって支払額が決められる、という筋書きになっています。

 一番変わったのは、個人成績のつけ方です。今回、私を含めて社員の大多数が属するBand2を二極分化させ、Band2+(プラス)というカテゴリを新設しました。要は、「できるBand2」と「普通のBand2」を区別して、ボーナスの払いに差をつけよう、というのが狙いです。

 その他にも、次の点が変更になりました。

  • Band1の人数をやや増やし、Incentive Bonusの額を増やした。
  • Band3の人数をやや減らし、Incentive Bonusの額をゼロにした。
  • Band3になった社員は、直ちに改善を要求される。Band3が2回以上続いた場合(改善がみられなかった場合)、会社としては「容認できない」。
  • Band4になった社員は、Band3を2回以上続けた社員と同様、会社としては「容認できない」。解雇もありうる。
成績 定義 Incentive Bonus 社員の割合
Band1 傑出した達成度 基本給の9〜12% UP↑ 10〜20% UP↑
Band2+

要求水準を達成かつ、Band2を上回る貢献度

基本給の2〜8% 
UP↑DOWN↓
65〜85%  UP↑
Band2 要求水準を達成、だが貢献度はBand2+に及ばず
Band3 要求水準をいくらか達成 ゼロ DOWN↓ 10〜15% DOWN↓
Band4 要求水準を達せず ゼロ 不明

 さらに、このIncentive Bonusを決める権限を現場のマネージャークラスに委譲したことも、大きなポイントでしょう。2004年度より、現場のマネージャーは配下の社員に支払うIncentive Bonusに相当する予算を持たされ、毎年、社員一人一人に対し、Band1からBand4に至るまでのいずれかの評価を下し、Incentive Bonusの額を決定するという、大変な「重責」を負うことになりました。ただでさえ多い彼らの「サービス残業」が、今後さらに増えることは必至と思われます。

3.社員のやる気〜私の場合

 ここまで、制度の解説ばっかりでやや退屈だったかもしれません。これから、もう少し「面白く」していきますね。

 まず私の場合、今回の賃金体系改正の話を聞いて、「やる気」が奮い起こされたどうか?・・・答えは、「否」です。「何だか、イヤ〜な制度になったもんだ」と思いました。まず、私はこんなことを考えました。

  • 今のポジション、今の(ほのぼのした)ノリで仕事を続けたとして、私の場合、順当にいけば「Band2」だろう。そうなったらボーナスが今よりややダウンする(Incentive bonus : 2〜6%)。
  • もっと気合いを入れて(日本にいた時のようにガンガン燃えて)働けば、「Band2プラス」までいくかもしれない。そしたら給料がややアップする(Incentive bonus :6〜8%)。おそらく実現可能だろう。
  • でも、私はチームの仲間が、皆それなりに優秀で、頑張って働いていることをよく知っている。だから、私が「Band2プラス」をもらえるのなら、他の全員が「Band2プラス」をもらってしかるべきだと思う。チームのなかで、ある人は「Band2プラス」、ある人は「Band2」と、差をつけなくてはならないのであれば、心情的にいい気持ちはしない。

 そう、問題はここなんです。私たちのチームは、仲間意識を持って和気藹々と働いています。推測するに、たぶん全員が「Band2」でしょうが、皆それで納得して働いています。会社には、「可もなく不可もない連中」って思われるかもしれませんが、実際問題として、「可もなく不可もなく」じゃあ、Band2は取れませんし、お客さんを満足させることはできません。皆それなりに優秀で、知恵を出し合って、いろいろ工夫しながら現場で頑張っています。そんなところに、「Band2プラス」みたいなカテゴリをつくることによって、仲間同士の競争を煽るような「差」を無理矢理つけるのが、果たして良いことなのだろうか?必要以上にギクシャクしないだろうか?

 また、こんなことも考えました。

  • 「Band1」について・・・私がこの成績をすぐ得られるとは思えない。Band1になるためには、仕事で傑出した成果をあげるのみならず、英語だけを使って、チームの同僚や上司に対して熱くビジョンを語り、説得して、信頼される真のリーダーにならなければならない。それはもちろん、一朝一夕にできるものではない(それができる位なら、とっくの昔に年収$10万くらいもらえる職場に転職してますって・・・)。

 そうなんです。残念ながら、英語の電話会議のたびに脂汗を流し、膨大な英文ドキュメントを読むのにネイティブの1.5倍くらいの時間を費やしている私が、「Band1を目指して頑張ろう!」という気になれないのは、残念ながら事実です。情けない気もするけど、でもノンネイティブがネイティブと同じ土俵で仕事してるんだから仕方ありません。私だって、むちゃくちゃ頑張っているんですよ。例えばオージーが日本に移住してIBMに就職して、優秀な日本人エンジニアに交じって働いて、日本語のドキュメントを読みこなして、日本語の電話会議もガンガンやって、それで毎年コンスタントにBand2という成績を残せますか?決して、たやすいことではないはずです。

 IBMが営利企業であり、厳しい競争環境のなかにある以上、より大きな貢献をした社員に報いるのは当然のことで、その点、今回の「Band1に対するボーナス増」は意義あることです。但し、Band1が全社員の10〜20%に限られる以上、これは「優秀な人を喜ばせる」ことではあっても、私を含め大多数の社員にとって「手の届かない目標」だと受け取られる可能性が高く、彼らにとってはインセンティブにならないでしょう。

 さらに、こんなことも考えました。

  • もし、運悪く無能なマネージャーに当たってしまった場合、或いは、プロジェクトの都合で私の得意分野から大きくはずれた仕事が回ってきた場合、「Band3」がつく可能性も否定できない。そしたら、ボーナスはゼロになる。
  • もちろん、「Band3」という評価に納得できなければ、ジェネラルマネージャーに対して不服を申し立てることはできる。でも、私の性格からして、「Band3」がついた時点で、やる気を失ってしまうだろう。

 ITエンジニアという人種は、概して生真面目で完璧主義者で、数字にこだわり、しかも自尊心が高いものです。私の場合、それに加えて、「病的なほどの負けず嫌い」ときている・・・小学校低学年の頃、大人と将棋やって負けただけで一時間泣き続けた、町内の野球クラブでレギュラーになれなかっただけで、カッと頭にきて退部してしまった・・・そんな性格ですから、不当に低い評価がつけられた時のモチベーション(やる気)の落ち方たるや、尋常なものではありません。

 一度こんな経験があります。東京の外資系大手ITコンサル企業、A社で働いた3年目の冬、人事考課で「Band3」という評価がつきました。大多数の同僚がBand2を得て年俸の上昇率が8%だったのに対して、Band3の私は3.5%しか上がりませんでした。私はどうしても納得できなかったので、人事部に電話して、「自分がどうしてBand3なのか、説明して欲しい!」・・・人事部の担当者は、親切にも各マネージャーの評価シートを見せてくれました。1年を通じて、私は3人のマネージャーについて働いたのですが、うち1人がBand2をつけたけど、残りの2人がBand3をつけたので、総合評価としてはBand3になった・・・という話をしてくれました。

 それでもなお、納得できなかった私は、Band3をつけたマネージャーの1人に直接話をしに行きました。そしたら彼は、「俺はBand2だと思っていたけど、他の2人のチームリーダーの評価が良くなかったんだ」・・・いろいろ聞きまわってみると、私はどうやら紙一重の差で、Band2になれずにBand3になったようなのです。しかし、その紙一重の差が、結果として会社に対する信頼感や忠誠心を、もはや救いようのないところまで失わせてしまいました。「クソっ、こんなアホ会社で働けるか!」・・・かくして数ヵ月後には、辞表をたたきつけていました。

 さて、IBMの新賃金体系に話を戻しますと、社員の10〜15%にBand3がつけられる想定になっています。このBand3は、旧賃金体系におけるBand3とは、意味合いが全く違います。新しいBand3は、ボーナス支給ゼロ、しかも2回続けば首切りも辞さないという、大変厳しいものです。こんな評価がつけられたら、社員はどんな気持ちになり、どれだけかモチベーションを落とすことでしょう。ちょうど数年前の私のように・・・

 もちろん、IBMが営利企業である以上、「使えない社員」を再教育し、それがコストに見合わないものであれば排除する、というメカニズムは必要でしょう。ですが、Band3がつけられた社員全員が本当に「使えない」のか?たまたま、能力評価のできない無能なマネージャーに当たってしまったのかもしれないし、専門外の仕事をやらねばならない状況だったのかもしれない。或いは私のように、本来はBand2をつけても良かったのに、紙一重の差でBand3になってしまったのかもしれない・・・いずれも、十分ありえる話です。そんな時、会社側は彼らのモチベーションをどれだけ保ち、「次回は頑張るぞ!」という前向きな気持ちに誘導していくのか?会社は彼らの能力と努力を必要としているというメッセージを、いかにうまく伝えていくのか?

 その辺がキーポイントになってくると思います。この新しい賃金体系がIBMにとって吉と出るのか凶と出るのか、その鍵はIBMが新制度をどう運用していくか?新制度を媒介としてマネージャーと社員がいかにうまくコミュニケーションをとっていくか?にあると思います。その辺がうまく機能しなければ、単に社員のあいだに無益な競争を煽り、無理やり「落ちこぼれ社員」をつくって彼らを排除するみたいな、いやらしいシステムに成り下がりかねません。

 結論を言いますと、私は新制度を次のように評価します。

  • Band1の人数を増やし、そのボーナス額を上げること自体は、有能な社員に多く報いるという意味で、良いことだと思う
  • Band2を二極分化させて、ボーナス額に大きな差をつけることは、「なんだかなあ」って感じがする。そんな面倒臭いことをする位なら、いっそのことBand1の人数枠を大幅に増やして(25〜30%とか)、その分Band2のボーナスを下げればいいことじゃないか、という気がする。
  • Band3、Band4に対し、ボーナス支給ゼロ、解雇をちらつかせて改善を迫るみたいな懲罰的なスタンスを取ることは、「会社に貢献しない社員を再教育、ないしは排除する」という意義はあると思うけど、その際、そういう社員のモチベーションを必要以上に落とさないよう、精神的にバックアップする体制は絶対に必要だと思う。
  • ボーナス額を決める権限を持つことになった、マネージャー層の人事評価スキルの向上、彼らに対するサポート体制の充実は、他の何より増して急務
  • だと思う。

4.所詮会社の中だけのこと

 当たり前の話ですが、世の中に完璧な賃金体系など存在しません。「みんな一生懸命働いているんだから、給料やボーナスに差をつけない」ことにすると共産主義の悪平等みたいなことになってしまうし、逆に一部の生保レディーみたいに、「給料の額を月々の売上額に直接リンクさせる」みたいにすると、社員の多くが生活設計さえ描けず、困ってしまうでしょう。したがって、世の中のほとんど全ての民間企業は、「共産主義」と「生保レディー」の間のいずれかの地点に、最適解を探ることになります。具体的には、「会社の支払い限度の範囲内で」、「大きな貢献をした社員により多く報い」つつ、「社員のあいだで不公平感をなくすように工夫」し、全体として「社員のやる気を引き出す」ような賃金体系を、微妙なバランスで探っているのが現状でしょう。

 近年では、世界的な傾向として、「能力主義」、「成果主義」をより多く反映した賃金体系にシフトする企業が増えているようです。日本ではもちろんのこと、オーストラリアでも社員の能力や成果に応じて、給料やボーナスの額に差をつけることを「善し」とする風潮になってきています。今回のIBMの賃金改訂も、その流れに沿ったものであるといえましょう。

 これからの民間企業は、能力・成果主義賃金の浸透とともに、年々、「デキる連中に手厚く」、「デキない連中に厳しく」なっていくでしょう。それが一概に「悪」とはいえず、実際、「デキる連中」は「デキない連中」と比べて、会社の利益に2倍、3倍もの貢献をしているのが普通だから、せめて、「ボーナスで10〜20%(IBMでは最大12%)の差をつけよう」というのは、企業経営の論理からいっても、また、「デキる連中のやる気を引き出して、より強い会社にする」ためにも、意味あることです。反面、「デキない連中」とされた人々は、会社から尻をひっぱたかれつつ、低い賃金水準に甘んじるか、或いは向上心に燃えて、一歩一歩上を目指すか、或いは思い切って、自分の能力がより活かせるような職場に転身するか、厳しい選択を迫られます。国を問わず、今はそういう時代のようです。

 ここまで一生懸命書いてきましたが、ちょっと落ち着いて考えれば、「所詮、会社の中だけのことなんだから」と割り切って、これまで通り淡々と働いていけばいいのかな、という気もします。

 多くのオーストラリア人社員がそうであるように、私にとっても、会社での職業生活なんて自分の生活全体と比べれば、その一部でしかありません。「一部」といっても「大事な一部」ではありますが、でも私には、会社での職業生活(給料やボーナスも含めて)のほかに、家庭生活、ホームページの運営、ラグビーリーグの応援、不動産の売買・賃貸、旅行、美味しいものを食べること・・・いずれも私の生活のなかで少なからぬ部分を占めています。職業生活は、「そのうちの一つ」、"One of them"でしかありません。

 職業生活の場は、能力主義や成果主義という、「弱肉強食的」論理が強い世界なのかもしれませんが、でも私が持っているその他の生活世界は、まったく別の論理、別の評価基準で動いています。例えば、家庭生活の場には愛はあっても競争の論理など微塵もありませんし、またホームページ作成にしても、要はそれを通じて自分がどれだけ自己満足できるか、多くの人と内容の濃いコミュニケーションが楽しめるか、という一点につきます。ライバルと、業績貢献度を競う必要なんてどこにもないのです。

 私の場合、「よき社員」であると同時に、「よき家庭人」、「よきホームページ作者」、「(ラグビーリーグの)よきサポーター」であることを目指しており、そのバランスの中で生活と精神の安定を保っています。おそらく、オーストラリア人社員の大多数が、同じようなスタンスで暮らしていることでしょう。要は、社会のなかでいろんな役割を演じる、「いろんな自分」がいるわけで、その中で、たとえ何か一つがうまくいかなくなっても、他のいくつかで十分カバーできるのです。例えば、Band3をつけられて「社員としての自分」の自信が多少揺らいでも、「家庭人としての自分」、「ホームページ作者としての自分」等がしっかりしていれば、大きく落ち込むことはないと思っています。

 また、仮にBand3がつけられてボーナスがゼロになっても、それは、「たまたま、現時点で会社の求める能力と、自分の能力の間にギャップがあっただけのこと」と割り切って、「転職を含めて自分の可能性を試してみる」チャンスだと捉えればいいのだと思います。実際私は、過去2回、悪い評価がついた後に思い切って転職しましたし、それはいずれも成功しています・・・その経験から言えば、「低い評価は、ピンチではなく、逆に(自分の可能性を見つめなおす)チャンスなのだ」と、結論することができるでしょう。

 最後になりますが・・・「よき社員」であることをとことん追求することは素晴らしいことだと思いますけど、逆に視点を変えて、「よき社員」、「よき家庭人」、「よき友人」、「よきサポーター」みたいな、いろんな自分を持つことによって、自分の暮らしや精神構造をより強靭な、揺るぎないものにしていくのも、同じくらい楽しく、チャレンジングなことだと思います。

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