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| ついに結婚永住ビザ取得(1998年6月〜1999年1月) | ||||
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オーストラリアへ移住した人は、必ずといって良いほど永住ビザの取得で苦労している。但し、その苦労はビザの種類によって大きく左右される。永住ビザでの中で一番骨が折れるのは恐らく独立永住ビザ(Skilled Independent Visa)で、これを取得するには少なくとも半年の歳月と30万円以上の費用がかかり、その過程は山あり谷あり断崖絶壁ありの壮大なドラマとなる(独立永住ビザにチャレンジした KAZUさん、Tommycatさんの体験談は、結構泣けます、ぜひご一読あれ)。 しかし、私は妻がオーストラリア市民という幸運に恵まれ、配偶者ビザ(Spouse Visa)という最も簡単・安直な方法で永住権を得ることができたので、残念ながら「壮大なドラマ」のネタは持っていない。結果としては正味2ヶ月半と12万円で取得でき、感覚としては国際結婚(第二話)よりもずっとラク、「永住権ってこんな簡単に取っちゃっていいの?」と思う位あっけなかった。 このビザは正直言って「おいしい」。オーストラリアにおける永住権枠は年間7万人前後、その中で半数前後(99年度、32,000名)を占めるのは家族関連(Family Stream)枠である。配偶者ビザは家族関連枠の大部分を占め(24,000名)、他のビザに比べれば明らかに「広き門」(例えば独立移住枠は13,300名に過ぎず、雇用主指名はわずか6,000名)で、例えばオーストラリア大使館の職員には、「日本で申し込めば3ヶ月以内で確実に取れます」と言われたほどだ。独立永住ビザのように地獄の英語テストを受けたり、ポイントで一喜一憂する必要も全く無ければ、長期滞在ビジネスビザのように勤め先の企業にスポンサーしてもらう必要もない。そして、もちろん移住後の権利も選挙権を除けば全てオーストラリア市民と同等に保障されている。職探しも、ビジネスも、社会保障も、市民と比べて何の制約もない。 配偶者ビザ取得に必要なものは下記の通りである。
この中で結構面倒なのは、証明書類の入手である。結婚証明書(Marriage Certificate)をオーストラリアから取り寄せるのに一ヶ月位かかったし、無犯罪証明書を取り寄せるのもその位かかった。そうそう、無犯罪証明書をとるためにはまず自分の住所を管轄する警察署で鑑識検査をするのだが、これが結構すごかった。ある日私は半休をとって千葉県警察本部に行くと、真っ先に巨大なモニターとスキャナーが着いた変な機械の前に座らされ、まずパシャパシャと指紋を撮られる。自分の十本の指の指紋が目の前のモニターに次々と映し出される。次に私の顔を上下左右斜めいろいろな角度から撮られる。モニターに次々と現れては消える我が画像を見るのはあまり気持ちが良いものではない。「これってはっきり言って犯罪者扱いだよな」と思った。もちろん、私はスピード違反しか犯してないので、無犯罪証明書は無事取得できた。 また、健康診断は大使館指定のところで受けたのだが、値段が高くてびっくりした。確か検査は四種類位(X線、心電図、身長体重測定、血液検査だったかな)しかやらないのに25,000円くらいとられた。一体どういう根拠でこんな価格になるのだろう。 何はともあれ、98年12月12日に東京・三田のオーストラリア大使館に必要書類を提出してからわずか一ヶ月弱、翌99年1月4日には無事配偶者ビザのスタンプが押され、一件落着。これでいつオーストラリアに行っても安心して住める身分になった。改めて奥さんに感謝。 結婚永住ビザに関連して不思議に思ったことが一つある。オーストラリア人と日本人との結婚の場合、圧倒的に日本女性と豪州男性のケースがほとんどで、日本男性と豪州女性というパターンが圧倒的に少ないのである。佐藤真知子さんの「新・海外定住時代」(新潮社)によれば、日本女性と豪州男性のカップルの離婚率は全国平均よりずっと下なのに対し、日本男性と豪州女性の離婚率は全国平均をはるかに上回る、そもそもこの組み合わせそのものが圧倒的に少ないのだそうだ(p174)。また、「オーストラリア生活便利帳」(飛鳥出版)という本では、「日本人女性が結婚により取得する配偶者ビザ」という説明があり(p.84)、私のような日本人男性のケースは完全に無視されている(これはあまりフェアな書き方ではないと思うが・・・)。 では日本人男性が完全にドメスティックかというとそうでもないらしく、例えばフィリピン人相手の国際結婚の場合では、日本人男性とフィリピン人女性のカップルが全体の99%を占め、離婚率は30%であるのに対し、日本人女性とフィリピン人男性の絶対数が1%と圧倒的に少ない上に離婚率は90%という恐ろしい数字がある。誤解を恐れずに言えば、日本の男性はフィリピン、韓国などアジア人女性を好み、日本の女性は欧米の白人男性を好むということだろう。そして、日本人の国際結婚のパターンとしては今のところ「日本男性対アジア女性」、「日本女性対欧米男性」の2つしか存在せず、それ以外の結婚生活は障害が多く長続きしにくいということだろう。 その要因としてはいろいろ考えられる。私の考えでは、日本の男性がアジア人女性と結婚したがるのは、家庭生活の中で「男性優位」が保てそうな相手だというイメージがあるからだろうし、またアジア人女性からすると真面目で稼ぎの良い日本男性と結婚して一族郎党を養っていこうというしたたかな意図も見え隠れする。また日本女性が欧米男性と結びつくのは、西洋文化に対する憧れが強かったり、夫が平等な自分をパートナーとして扱ってくれるという期待感があるからだろうし、逆に欧米男性にとってはより従順で優しいというイメージがある日本女性(東洋人女性一般に言えることだが)を好むからだろう。 私の経験からしても日本人男性は欧米人の間ではあまりイメージが良くない。実際、私の妻が友人(オーストラリア人女性)に、「私は日本人の男の子と付き合っているのよ」と言うと、「日本の男は男性優位の考えが強いでしょう」とか、「女を大事にしないでしょう」とか、事ある毎に芳しくない答えが返ってきたという。妻はつねづねそのイメージを覆したいと思っていたらしく、私がオーストラリアに渡ると毎回いろいろな友達(ほとんど女性)に会わせたがる。会って2時間ほど話をすると、彼女らは「全然日本人のイメージと違うじゃない!」と感心するらしい。こういう時は特に、ステレオタイプというものがいかに根拠の無いものかを実感させられる。 日本の若い男性は、オーストラリア女性との結婚生活を先輩方よりはるかにうまくやっていけるはずだと私は信じている。これまでの日本人男性の評判が悪かった理由として、佐藤真知子さんは、(1)「男の方が女より偉い」という考え方の尻尾を引きずっている、(2)話や社交が下手でシャイ、(3)生活を楽しむ方法を知らない、(4)余暇を満喫することにも慣れていない。(5)仕事ばかりして、少しもリラックスしていない等々を挙げているが、私からすればそれは父くらいの世代の話だと思ってしまう。豊かな時代に育った私たちの世代は遊び方、余暇や生活の楽しみ方については上の世代よりずっと知っているし、話や社交術も格段に上達している。もちろん個人差は大きいが、私は「優しくて面白くてリラックスした自然体」の新しい日本男性をオージー女性(あるいはオージー男性)に是非広めたいと思っている。 苦労して独立永住ビザを取るのも良いが、結婚して永住ビザを取るのも悪くない。愛をはぐくんで、オーストラリアに住もう。
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